BUSINESS | 2025/06/06

環境にやさしい除草はヤギにおまかせ。「草刈りヤギちゃん」 のレンタルサービスが本格始動

ヤギによる除草サービスで環境負荷ゼロの除草を実現

FINDERS編集部

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機械を使わず、除草剤にも頼らない。

株式会社むじょうは、環境負荷ゼロの除草手段として、ヤギによる除草サービス 「草刈りヤギちゃん」 を本格始動した。

 「草刈りヤギちゃん」 は、神奈川県湯河原町の自社牧場 「湯河原・スピルバーグ・ヤギポート」 で飼育するヤギたちを、一定期間レンタルし、町・市有地、空き地、休耕地、学校、公園、ソーラーパネル設置地や企業の緑地管理区域などに派遣し、景観を守りながら自然に草を管理する。平地だけでなく、機械が入りづらい斜面や細長い土地でも対応が可能、ヤギならではの 「歩いて食べる」 柔軟な除草力が発揮される。

現在、「湯河原・スピルバーグ・ヤギポート」 には9頭のヤギが在籍し、除草のための実証実験を行いながら、現場へも出動。個体ごとの特性に応じた除草を行いながら、これからの人手不足に対応する無理のない除草のあり方を目指している。

除草機を使えばガソリンや電力を消費し、除草剤を使えば土壌や周辺生態系に影響を及ぼす。これに対して、ヤギはCO2を排出することなく、雑草を食べることでその場で草を処理していく。特に、農薬や化学肥料の使用を避けたい地域や、法令・規制で除草剤の使用が難しい場所 (例:学校や水源地、太陽光発電施設周辺など) においては、ヤギによる除草が非常に有効である。草を食べたあとのフンも自然に分解され、肥料として土に還るため、「刈って終わり」 ではなく、次の緑と土地の可能性を育む循環型の管理が可能だ。

さらに、除草のついでに通行人や来訪者の目を引くヤギの姿は、癒しと関心を呼び起こし、地域や企業のイメージ向上にもつながる。

また、1頭のヤギが1日に除草できる面積は約30平方メートル。人手では数時間かかる場所でも、ヤギたちは黙々と除草を行う。特に斜面や段差が多い場所では、機械よりもヤギの方が効率的で、草刈り作業の頻度や人手を大幅に削減できる可能性が実証実験で示されている。

また今後、株式会社むじょうでは、ヤギ除草の有効性を数値化し研究レポートなどにまとめて公開するほか、除草作業を地域コミュニティや教育機関と連携、単なる土地管理業務ではなく、コミュニティや自然、教育、福祉など学際的な知見を活かしたプロジェクトとしても進化させていく取り組みも行っていくという。

今後の活動に注目したい。


草刈りヤギちゃん 公式ウェブサイト
https://yagi.mujo.page/