CULTURE | 2021/07/03

「パクリ大国」と嘲笑してきた中国に完敗。「安い国」に転落したニッポンに未来はあるのか?【連載】中川淳一郎の令和ネット漂流記(25)

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中川淳一郎
ウェブ編集者、PRプランナー
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30年間、賃金が増えていない日本

こうした扱いだった中国がGDPで日本を超えて世界2位に躍り出た。その時は「中国は日本の10倍の人口がいるからそれは当たり前」という論が支配的に。しかし、日本では賃金がこの30年上がっていない。経済成長率も鈍化し、コロナで決定的なダメージを受けた。最近は昔ほど爆発関連の報道はなくなっているが、性能が良くなってきているのだろう。

2020年度の日本の税収は過去最高の60.8兆円になる見込みと30日に発表された。経済成長率が低下したものの、法人税収や消費税収が当初見積もりを大幅に上回ったのだという。「巣ごもり需要」が多かったそうだ。こうしたニュースを見ると日本人もまだまだ購買力はあるように感じられるが、アメリカや欧州の先進国に行くと今は明らかに価格が高いと感じられる。

それだけ海外の物価が値上がりしている時代のため、賃金が上がらない日本人は海外旅行に生きづらくなっている。ロンドンに住む友人は「オレは日本では給料が高い方だけど、こちらでは中の下みたいなもの。イギリス人が平気で買うことができるコーヒーでさえ買うのに躊躇する」と言っていた。

中国のことをバカにすることがネットでは日常茶飯事だった時代からすれば、随分遠くへ来たものだ。


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