LIFE STYLE | 2021/06/23

アルツハイマー病で記憶を失った夫が、再び妻にプロポーズ。二度目の結婚式に感動が広がる

Photo by Shutterstock
文:藤井咲希
脳の萎縮により、人の記憶を消してしまうアルツハイマー病。患...

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記憶ではなく心に残る、二度目の結婚式

ピーターさんのプロポーズを快諾したリサさん。晴れて2人は2度目の結婚式を挙げることに。リサさんは『NBC New York』の取材に「2度も結婚式を挙げられるなんて、私は世界で最も幸せ者です」と語った。幸いにも、夫婦の娘はウェディングプランナーだったため、この呼びかけに多くの業者が無料でサービスを提供してくれた。

リサさんは「すべてが完璧で、これ以上の日はないと思うほどです。まるで魔法にかかったようでした」と振り返る。「彼がこんなにも幸せそうにしているところを長いこと見ていません。とても幸せそうでした」とも。

現在、56歳を迎えたピーターさんの病状は急速に進行しており、もうこの結婚式のことすら忘れてしまっているようだ。ただ、自分を愛し、いつも大切にしてくれる女性がいる、そのことだけはしっかりと覚えているようだ。「彼は私の耳元で、『いつも一緒にいてくれてありがとう』と囁いたんです」と涙ながらに語るリサさん。

これまで培ってきた2人の絆の深さが、感じられるエピソードだ。記憶以上に心に刻まれた感情や想いは、私たちが生きる支えになるのだろう。


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