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文:藤井咲希
脳の萎縮により、人の記憶を消してしまうアルツハイマー病。患者本人だけでなく、周りの家族や友人にも影響を与える病だ。
そんな中、アルツハイマー病と闘うある夫婦のストーリーが、感動的だと話題を集めている。
認知症の夫から突然のプロポーズ
米国コネチカット州に住むピーター・マーシャルさんとリサさんは、結婚して12年になる。数年前、夫のピーターさんは初期のアルツハイマー病と診断された。ピーターさんの記憶力は急激に衰えており、妻のリサさんの名前はおろか、誰なのかもわからない状態になっていた。
昨年12月、夫婦でテレビを観ていた時、結婚式の映像が流れた。すると突然、ピーターさんは「やろうよ!」と言いだした。リサさんは戸惑いながら「何をしたいの?」と尋ねると、ピーターさんはテレビを指差した。リサさんが「結婚したいの?」と聞くと、ピーターさんは「そう!」と満面の笑みを浮かべたという。ピーターさんはすでに結婚していることを忘れて、もう一度リサさんに恋をしてプロポーズしたのだ。
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