ブロックチェ―ンとは何か?
人類全員のすべての情報を同じ台帳の上に記録するためのテクノロジーがブロックチェーンです。全員が同じエクセルシートの上ですべての出入金を記録する。現在の銀行や証券会社が別々に記録した情報をお互いに照らし合わせることなく取引が成り立つのです。
外国の人も国内の人も同じ台帳上で管理されているので海外送金という考えそのものがありません。全人類で共有しているエクセルシートの上で資産の数字を振り分けているだけです。そしてこのすべての取引が記録されている台帳が消えないように複数のコピーを作製し世界中に分散させています。無数にあるデジタルツインをイメージしていただけるでしょうか。
一つの台帳がハッキングされたり、規制されても残りの台帳を利用できる。これが分散型台帳技術、通称「ブロックチェーン」テクノロジーです。そしてこの台帳を一つの企業や組織に管理させるのではなく、参加者全員で記録作業や維持管理を行えるようにインセンティブを設ける。また記録データを簡単に改ざんや不正が出来ないように既存のコンピュータでは破れらない暗号技術で暗号化します。この分散型台帳に使われている暗号化された通貨こそ”Crypto Currency”「暗号通貨」です。
ブロックチェーン技術により国家や銀行、大企業などの中央集権的なシステムに頼らなくても、全世界の人々が安全に使える通貨が誕生しました。暗号通貨は民族や人種を超えて誰でも分け隔てなく平等に参加できる国を生んだのです。国家や大企業から独立したネットワークとして全世界の人々が安心して使えるわけです。そして現在、このブロックチェーンの国にDeFi(分散型金融)やNFT(ノン・ファンジブル・トークン)などのさまざまなアプリやサービスが日々立ち上がっています。
これらの新しいサービスは既存の国家や大企業のサービスにはできない透明性で革新的な思想を持って開発されています。今まで出来なかったことをやろうじゃないか、ここなら国や宗教、人種に縛られることなく新しいことにチャレンジできる。世界地図に載っていない自由と平等の国、今新しい可能性を求めて人々が向かう場所、それがブロックチェーンなのです。
ブロックチェーンはまだ私たちの普段の生活に馴染みがない単語ですが、インターネットと同じように毎日使うテクノロジーになります。ITリテラシーが高い国民がいる国からGAFAが生まれたように、ブロックチェーンリテラシーの高い国民が一人でも増えることで将来の日本のためにもなると私は信じています。多くの方がこのブロックチェーンを理解して生活に役立てることができるようにこの連載を通して世界一わかりやすくブロックチェーンの技術、思想について説明していければと思います。次回はなぜブロックチェーンと呼ばれているのか?