途上国の子どもがビジネスを学べる無料の大学をつくりたい
―― 今後の人生のビジョンを教えて下さい。
Komatsu:僕はExitして、この会社のCEOが終わったら、もうビジネスをするつもりは一生ないです。卒業してからしたいのは、4つあり、どれか1つをしたいと思っています。
1つ目が国境なき医師団に入ること。2つ目は、バックパッカーで世界一周。3つ目は、サーフィン。4つ目がMBAを取ること。
国境なき医師団は僕の第一候補です。経営って、白黒付けない問題にどう線を引くかだと思っています。でも国境なき医師団では、その白黒付けられない問題に直面すると思うんです。これにぶち当たってみたい。
世界一周するなら過酷なルートをたどっていこうと思っています。途上国の人たちと同じ飯を食って、同じ洋服を着てみたい。
サーフィンは自分の力でどうこうじゃなくて、波の流れを読んで合わせる、自然と合わせる必要がある。これはビジネスにもつながる部分があると思っています。アメリカでやっていると大きな会社のCEOが隣にいたり、おじいちゃんが一人で波待ちしてたりする。平等に扱ってくれるのが僕はすごく好きで。MBAは他の選択肢ができなかったときに消去法で選びます。
この4つを2年間でやったら、自分自身を見つめ直すと思うんです。それができて帰国したら、大学を建てます。大学が僕の最終ライフミッションです。
―― どんな大学をつくりたいんですか?
Komatsu:僕が建てる大学は学部が2つしかないものになるでしょう。一次産業とビジネス。
僕は福岡の高校を卒業したあと、フィリピンのスモーキーマウンテンっていう超スラム街でNGOのボランティアをしたことがあったんです。そのとき「世界はこんなにも不平等なんだ」っていう経験をしました。
スモーキーマウンテンでは7歳ぐらいの子どもたちが缶を集めて日銭を稼いでるんです。ユニセフとかが建てた学校はある。でも行ってしまうと、お母さんたちの今日のご飯がない。だから子どもたちは働くしかない。勉強したいけどできないスモーキータウンの子どもたちと、勉強できる環境があるのに、しなかった日本の僕。この不公平が、どれだけ世界が前進する妨げになっているか。富の再分配が必要だと感じました。
途上国の人たちのためには、まずは一次産業。帰国してすぐ使える知識や技術です。
ビジネスの学部は2つに分かれます。1つは経営学。2つ目がアントレプレナー。起業家を目指す人が聞きたいのは、成功談じゃなくて失敗談のはずです。うまくいっていないときどうするか。シミュレーションができるかが大事。この学部ではAR・VRの技術など、最前線の起業家たちに登壇してもらおうと思っています。
投資の収益を使って、世界中にスマホやタブレット、VRゴーグルを配りまくります。一学期が終わってトップ100の成績だったら、衣食住全込みで日本に呼んであげる。奨学金とかじゃなくて全部出す。こういう大学をつくりたいです。
―― 壮大だけど、しっかりプランニングされてますね。CAVINのウェブサイトを見ると、「メンバーの一人一人が表現者であってほしい」とか「ビジネスモデルは作品」とか、すごく共感しますね。僕もすべての人はアーティストだと思っていますので。
子どものころはみんなアーティストで、それが教育とか人との比較とか恥ずかしさとかで、みんな表現しなくなる。でも表現が人を救うと思っています。お花を使った表現もそうですし、お花を愛でる行為も心に活力を与えてくれるものだと思いますし。生花の師範でもあるので、応援させていただきます!
Komatsu:ありがとうございます! ぜひよろしくお願いします。