心のこもった花を届けるために、消費者とは直接つながらない
―― それがCAVINのビジョンにつながっているんですね。
Komatsu:CAVINでは「だれでも、いつでも、どこでも、素直な気持ちを伝えられる社会」を実現したいんですが、そのために花を選ぶ理由が、他にもあります。花はそこまで特別な設備がいらず、年間を通してどこでもできる。砂漠と南極以外、途上国でも作れます。お金がない国は一輪挿しで渡すことができる。富裕層に対してはしっかりとしたブーケ、芸術作品で付加価値を乗せられる。おじいちゃんおばあちゃん、子どもまでみんな楽しめる。本当の意味で、誰でもいつでもどこでも買えるものだと思っています。
現に世界の幸福度ランキングと、花の消費量はある一定の相関関係が見えている。唯一そこが薄れているのが日本とスイスだけです。スイスはそこら中に花があるので、花を買う必要がそんなにない。一方で日本は、幸福度が低すぎる、花の量に対して。それはなぜかというと、心がこもっていない花の供給が多すぎるから。
例えば開店祝いのコチョウラン。お祝いの気持ちを乗せて贈られている場合、非常に素敵な日本の文化だなと思います。美しいです。しかし、一方で気持ちを乗せてないまま贈っている方がいらっしゃるのもまた事実だ、ということをヒアリングを通して知りました。ここをデータや技術を活用して変えていきたいんです。
―― CAVINは今どのぐらいの業者さんと提携を結ばれているんですか?
Komatsu:今は福岡県中心部の1/3の花屋さんがユーザー登録しています。CAVINは中間業者を省いて、最短で3日納期を短縮できるので、花屋さんからしても確実にいいサービスだと思っています。通常なら花農家さんが切って、市場、仲卸、フローリストという順番で届きます。CAVINは今朝切った花が今日の午後届く仕組みです。店頭の日持ちが良い花を小ロットで買える。今までは生産者さんが市場まで持ってきていた代わりに、CAVINが生産者のところまで引き取りに行くからです。生産者さんからしても、自分の花の良さやリアルな評判を聞くことができる。これがCAVINが伸びている理由です。
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