文:山田山太
スポーツ選手たちが身を包むユニフォーム。一見、その競技に特化した合理的なつくりになっているようにも感じるが、果たして本当にそうだろうか?
先月21日にスイスで行われたヨーロッパ体操競技選手権大会にて、ドイツ代表の女子チームがユニフォームにまつわる慣習を破ってみせ、話題を呼んでいる。
脚全体が覆われた「ユニタード」を着用
通常、体操競技で女性の選手が着用するレオタードは、股下まで脚全体が露出したつくりとなっている。ところが、今大会でドイツ代表の3人は、脚全体を布地で覆ったユニタードと呼ばれるユニフォームを着用し出場した。大会の規則でもユニタードの着用は認められていたが、これまでは宗教的な理由によって着用するだけだったという。
ドイツチームの一人であるエリザベート・ザイツ選手は4月24日、自身のInstagramに「すべての体操選手は、どのタイプのスーツが最も快適だと感じるかを自分で決めて、体操をすることができるはずです」「レオタードを着ることに不快感を覚えたり、性的なイメージを持たれてしまう選手たちのお手本になればと思いました」と投稿し、多くの称賛の声が寄せられた。
またドイツ体操連盟も「体操が性的に消費されることに反対する」という表明を4月24日にTwitterに投稿した。
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