CULTURE | 2021/04/16

無重力空間で1年間過ごした宇宙飛行士の心臓の大きさが約3分の2に縮小!将来の火星任務に懸念

文:ヤジマミユキ
そう遠くない将来、民間人の宇宙旅行は一般的になるだろう。そこで考えておかなければならないのが、重力と...

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火星で立ちくらみや失神の可能性

今回の研究結果は、将来の火星での任務における懸念点を示唆している。レヴィン博士は、ケリーさんや他の宇宙飛行士の経験に基づいて「彼らはおそらく大丈夫だろう」と述べている。ただ、宇宙飛行士がケガや病気をしたり、器具が壊れて運動できなくなったりした場合、問題だ。数カ月間の宇宙旅行によって心臓が弱った状態で火星に降り立ってしまうと、立ちくらみや失神を起こしてしまう可能性があるというのだ。

宇宙から帰還したケリーさんは、「宇宙にいたことによる身体的な症状は一切ない」と語り「今日、もし許されるならば、もう一度同じことをしに宇宙に行くでしょう」と続けた。

私たちが考えている以上に人間の身体の適応能力は高いが、重力の変化にどこまで対応できるのかは、まだまだ未知数だ。ただどこで生きていくにしても、「運動」が重要なことだけは確かなようだ。


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