「尋常性白斑を楽しむ」というビジョン
――倉田さんは、角川ドワンゴ学園が運営する N高等学校(N高)に在籍中(取材当時。2021年3月に卒業)ですよね。N高に入ったのはファッションや、ものづくりに関わりたい気持ちと繋がっていたりしますか。
倉田:全然ないですね。それよりも起業に興味があります。もともと母が起業ではないですが突然、個人事業主になったんです(笑)。それに影響されて、中学3年の時に、僕も起業をやってみたいなって、思うようになったんです。
N高には起業部という部活が存在していて、その部活も面白そうだなと思っていて。そもそも勉強が得意ではなかったので選択肢が少なかったんですけど、勉強よりも課外活動、委員会とかが好きで、そういう意味ではN高が適しているのかなと思って、通うことにしました。
――ブランド始動という目標がもうすぐ叶えられるところまできて、実際にどう思いますか。
倉田:学校で新しい目標ができたんです。それは、「尋常性白斑を楽しむ」というビジョンなんです。ファッションはツールだし、コミュニティもツールだし、アートもツール。まだ出てきていない色んなツールがあるから、僕は人生を賭けて多様なアプローチで最終的に大きな「尋常性白斑を楽しむ」というビジョンに近づいていこうと考えているんです。
――患者会もいずれは。
倉田:今、もうやっています。患者会というよりはコミュニティのようなものですが。なかなか両立するのは難しいです。
――そのコミュニティはSNSで運営されているんですか。
倉田:今はLINEのグループを使っています。一年生の時に患者会を立ち上げるのを諦めて、二年生の時に落合さんからクローズドコミュニティでつくったほうが良いんじゃないかと言われて、Facebookのコミュニティのアカウントをつくったんですけど、結局人が集まらなかったり、自分自身のモチベーションという意味で断念して、三年生の時になってイベントで発信していくと患者さんから連絡が来るようになったんです。LINEのグループで月に一回1時間お話しをする会をつくっています。
――落合さんって落合陽一さん? どこで出会ったんですか?
倉田:二年生の時に起業部で、筑波会議という起業イベントでプレゼンした時に落合さんからそういうフィードバックをもらったんです。ヨウジヤマモトの黒の服を着ていました。
――クラウドファンディングにしても起業のことにしてもN高の存在がでかいと思うんですけど。
倉田:めちゃめちゃでかいですね。
――出る杭は打たない感じがしますね。
倉田:周りの友達に批判する人もいなかったですし、むしろ応援してくれる人ばかりだったのは他の学校と比べたらやりやすい環境だったと思います。
――N高の宣伝記事にするつもりはないんですけど(笑)
倉田:実際にN高にはお世話になっているし今のやりたいこともN高で見つけたし今の繋がりもN高がスタートで、大きかったのは事実としてあります。
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