CULTURE | 2021/03/23

元編集者が東京→唐津に帰郷。ゲストハウス「少女まんが館」を始めた理由【連載】コロナ禍の移住・脱東京(2)

新型コロナウイルスの影響で、どこでもリモートで働ける可能性が見えて地方移住を考える人は多いかもしれない。もともと東京で働...

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このゲストハウスがあったからこそ、出会えた人がいる

ーー 池田さんは元々出版社勤務の編集者ですよね。その時は漫画の編集をされていたんですか?

池田:それはないんです。でも、希望はあって漫画の出版社の採用を受けたこともありますがご縁がなかったり、漫画編集のお話をいただいてもタイミングが合わなかったり。実用書の編集がメインでした。別の形ですが、今こうして漫画に関わる仕事ができているのはすごくありがたいです。

ーー それはすごく面白いことですよね。池田さんは東京で13年間働かれてきたわけですけど、東京での暮らしを振り返ってみてどうですか?

池田:東京での生活は刺激的だし、すごく楽しかったですね。ただ東日本大震災の後から、私は結婚をしてないし子供もいないし、歳をそのまま関東で重ねていくイメージが持てなかったんですね。夜中の満員電車で帰って何かあると舌打ちされるようなところでは死にたくないな、唐津に帰りたいな……っていう思いがありました。

でも、唐津に帰っていきなりフリーランスのライターや編集だけで食べていけるのかなと考えました。今になってみると、別に編集・ライターでもやっていけたとは思います。ただやっぱり一個の場所をつくるっていうのがすごく大きかったんです。このゲストハウスがあったからこそ、出会えた人がいますから。

ーー 僕もずっとこの10年間ぐらい本やSNS、メディアを通して「どこでも仕事できるよね」っていう発信をしてきたし、本当にそれに尽きると思うんです。それでも「ホーム」というかいつでも帰れる場所とリモートで働く場所、両側面があった方がいいなっていうのは感じますね。

それから、コロナ禍になって急激に移住シーンがまた変わってきているじゃないですか。僕らが本を作っていた2016年頃とはまた違う。あの時は「3.11」の後の20代・30代・40代が「これからどうやって生きていくのか?」っていう感じだったけど、最近は「先の見えないコロナ時代で密にならずに暮らすにはどうしたらいいか?」と移住が絡むようになってきていますよね。

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