LIFE STYLE | 2021/02/09

革新的な人工角膜の移植手術で、失明男性78歳の視力が回復。深刻なドナー不足の問題解決へ一歩

文:汐里
日本で角膜移植を希望する人が、手術を受けられない状況が続いている。原因は深刻なドナー不足で、国外からの輸入に...

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世界中の失明患者が手術を受けられるように

昨年7月の米国眼科学会の発表によると、世界中で1270万人が中等度から重度の視力低下により、角膜移植手術を待っている状況だという。しかし、世界人口の半数以上が事実上、角膜移植手術を受けられないのが現状だ。なぜなら、多くの発展途上国ではアイバンク(角膜移植手術のため、死者眼から角膜を採取し斡旋する公的機関)の数が限られているからだ。今後CorNeat KProの普及により、世界中のあらゆる人が角膜移植手術受けられるようになるかもしれない。

同社は昨年夏、CorNeat KProの臨床試験の承認を得ており、今回イスラエルで行われた手術は承認された臨床試験の1回目。今後はカナダやアメリカ、フランス、オランダなどで試験が続いていくという。同社は2022年にCorNeat KProの販売を目指している。これまでの角膜移植手術における問題を一気に解決するだけに、期待値は高い。今後の臨床試験の結果に注目したい。


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