文:ヘイノサブロウ
スーザン・ボイルを輩出した人気オーディション番組のスペイン版『ゴット・タレント・エスパーニャ』の新シリーズが今年1月からスタート。
この番組に、日本生まれのある楽器が登場したとして、SNS上で驚きと感動が巻き起こっている。
日本生まれ「オタマトーン」でゴールデンブザー獲得
ステージに登場したのは、黒いTシャツ姿の青年、フワンホ・ホモンセラートさん。「今日は音楽史で最も重要な曲の1つをやります」と高らかに宣言すると、会場にはプッチーニ作曲の歌劇『トゥーランドット』のアリア『誰も寝てはならぬ』が流れる。すると、緊張した面持ちのホモンセラートさんは、おもむろにある楽器を取り出した。
それは、日本のアート・ユニット「明和電機」が開発した「オタマトーン」。何とも味のある電子音が奏でられる、ユニークな音符型の電子楽器だ。ホモンセラートさんはオペラの名曲をこのオタマトーンで見事に演奏し、観客を魅了。会場ではスタンディングオベーションが起こった。
実はホモンセラートさんは兄弟でバンド活動をしており、オタマトーンは日本にツアーで訪れた際に買ったという。
3人いる審査員の内、2人はオタマトーンに夢中だったが、テレビ司会者として知られるリスト・メヒデさんはずっと固い表情。しかしオタマトーンをひとたび手にして演奏を試すとすぐに虜に。準々決勝進出を確約する「ゴールデンブザー」を押したのだった。
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