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文:ヘイノサブロウ
1月6日、トランプ前大統領の支持者が、米連邦議会議事堂に乱入し、警察官1人を含む5人が死亡する事件が発生した。この事態を重く受け止め、FacebookやTwitterなどのSNS側はトランプ前大統領のアカウントを凍結した。
このことが引き金となり、「自由」と「権利」を問う新たな波紋が広がっている。
「SNS側に検閲権限はない」とブロック通知
米国アイダホ州のインターネットプロバイダ「YourT1Wifi」は1月13日から、FacebookとTwitterへのアクセスをブロックすると発表。ユーザーにメールにて事前通知を行った。
この事前通知によると「両サイトを表示できないようにしてほしいというユーザーからの要望が相次いでいるが、対処法を個別に教えに行くのは難しいため、アクセスをブロックする」とし、アクセスを続けたい場合は個別に申し出るよう要請。さらに「SNS側は投稿内容の検閲をする権限がないはず。重大な懸念を持ってブロックする」と表明した。
地元テレビ局『KREM2』の取材によると、ユーザーの1人は大きなショックを受けたと明らかにし、「違法ではないとしても、倫理に反する」「検閲に反対するために、自らが検閲しようとしている」と批判を強め、このプロバイダとの契約をキャンセルすると話した。
しかし、このユーザーがキャンセルの意向を伝えると、プロバイダのオーナー、ブレット・フィンク氏から「ブロックしてほしい人に申し出てもらいます。申し出がなければサービスは従来通りです」と当初とは異なる方針を示したという。その一方で、「利用者の3分の2がブロックを希望しています」と付け加えた。
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