2年間、離れ離れだった姉と再会
親子の努力の甲斐あって、ビジネスは順調に成長し、周りからの支援も得ることができた。7月にはパチェコさんの高校時代の友人が、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』で資金を募ったところ、寄付金は目標額を大幅に超える6万8000ドルに到達。一家は11月にようやくアパートに引っ越すことができた。
パチェコさんを喜ばせたのはそれだけではない。実はアーロン君には10歳の姉アイリーンちゃんもいたが、経済的困窮ゆえに故郷のメキシコへ独り帰されており、家族は約2年間も離れ離れになっていた。しかし、ある日アーロン君が催しに出店していたところ、家庭の事情を知った男性がアイリーンちゃんを引き戻すためにと1000ドルも寄付してくれたのだ。パチェコさんはアーロン君がアイリーンちゃんを引き戻してくれたことは最高の出来事だったといい、「私たち家族はまた一つになれました。長い間離れ離れになりましたが姉弟同士の変わらぬ素晴らしい絆があったことが分かって嬉しいです」と語っている。
現在、アーロン君はデリバリーなどさまざまな展開を進めている。目の前が真っ暗に感じる人も多い昨今だが、少年の行動は明日を懸命に生きる人たちへの希望の光となっている。