取材・文・構成:庄司真美 写真・スタイリング:駒田達哉
ビジネススタイルのカジュアル化が進み、あまりスーツを着なくなり、革靴を履かなくなった人も多いだろう。
だが、ビジネスをする上で「足元を見られる」ことがどれだけデメリットであるかは言うまでもない。
そんな読者諸氏に一生ものの靴として今こそおすすめしたいのが、靴の老舗ブランド「ALDEN(オールデン)」のタンカーブーツだ。
オールデンを一度履いたら最後。その美しさと履き心地のよさ、快適さに病みつきとなり、2足、3足と揃えてしまうファンは多い。
ではなぜハマるのか? 同ブランドの魅力について、紐解いて行きたい。
アメリカを代表する創業136年の革靴ブランド「オールデン」
1884年、チャールズ・H・オールデン氏によって米マサチューセッツ州のミドルボロウで創業した紳士靴ブランド「オールデン」。後にオールデン氏が引退後、ターロウ家に引き継がれ、以後130年以上、4代に渡る同族経営により今に受け継がれる老舗ブランドだ。
当時は既製靴ではなく、並外れて上質な素材を使用したカスタムメイドシューズの製作を手がけていたオールデン。特筆すべきは、X脚や偏平足などの脚に問題を抱えた人にもフィットし、均整バランスを可能にした医療用矯正靴から発展した靴を手がけていたことも、同ブランドのDNAとなっている。
この高度な専門分野のパイオニアとなったオールデンは、その整形法の技術と開発力を武器に、トラディショナルシューズをさらに快適で履き心地が良く、エレガントなものに昇華して行くことになる。
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