2020年、振り返ると飲食業界がこうも大きく揺れ動いた年はそうそうないだろう。
接待メシに悩んでいた時代は、もはやビフォーコロナの前時代的な慣習となり、家メシの選択肢が格段に拡がった。
持ち帰りメシを楽しむ本連載の締めくくりは、中華!
池袋にある中国語が飛び交うフードコート「友誼食府」に行けば、飛行機に乗らずとも台湾や中国各地のグルメが堪能できるのだ。
来年は、出張や旅行で気兼ねなくご当地グルメを楽しめる年になるよう祈りつつ、池袋にある中国に飛んでみよう。
チェリー先生
食べ歩き部・部長
東京生まれ東京育ち。10代では外食好きな家族と、20代では目上の方々にあまたの東京レストランガイドをしていただき、30代以降は自分で開拓するのが楽しくなり、あらゆるスタイルの「外食」を楽しんできたグルメ女。プロならではのこだわりが見える瞬間、女王様気分を味わえる接客、味というよりも人に惹かれる瞬間などに魅力を見出し、レストランの楽しみ方を広げている。
池袋のリトルチャイナ的なフードコート「友誼食府」
池袋駅の北口はここ数年で、すっかりリトルチャイナへと変貌した。
その中でも、上海や台湾の街角の食堂に来たかのような食体験ができるフードコート「友誼食府」は、小規模ながらも中華料理の楽しさが凝縮された場所だ。
懐の深い中華系らしく、全店舗のメニューがテイクアウトできるのも嬉しい。
面白いのは、派手さのある中華街とは違い、ここが在日中華系の人々の生活に根差した町として進化している点。それ故「友誼食府」も庶民的でディープなラインナップが揃っている。
こちらは支払い用プリペイドカード。支払い方法に戸惑うが、旅に出たと思って楽しもう。
店内は日本語があまり見当たらず、中華系の店員ばかりで日本語も通じないことがほとんど。
キャッシュレスオンリーな決済方法も大陸さながらで、専用のプリペイドカードにチャージして支払う方式を取っている。
今回は全6店舗の中から、台湾菜店「匯豐齋」、上海料理店「大沪邨」、四川料理店「香辣妹子」の印象深かったメニューを紹介しよう。
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