LIFE STYLE | 2020/11/13

SNSで有名な陰謀論者に変貌した母親を持つ21歳の息子、カメラの前で語った真相に胸が締め付けられる

Photo By Shutterstock
文:山田山太
SNSの登場により、あらゆる人が情報を拡散することができる...

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文:山田山太

SNSの登場により、あらゆる人が情報を拡散することができるようになった。同時にその情報の真偽を確かめることが非常に難しくなり、結果として多くの「陰謀論」を生み出していると言えるだろう。

そんな中、母親が悪名高い陰謀論者である男性が『BCC』のインタビューに答えた動画が、多くの反響を呼んでいる。

陰謀論者で看護師の”母”

イギリス・イーストサセックス州出身のセバスチャン・シェミラニさん(21歳)は、「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス」に通う大学生だ。セバスチャンさんの母親であるケイト・シェミラニさん(54歳)は、SNS上で多くのフォロワーを抱える著名な陰謀論者として活動している。

ケイトさんは新型コロナウイルスが流行してからというものの、FacebookやInstagramを通して多くの陰謀論を発信。その内容は「新型コロナは存在せず、症状は5G無線アクセス技術の影響によるもの」「今後行われるであろう、新型コロナのワクチン接種も、人々のDNAに影響をもたらす政治的ツールである」「ロックダウンとホロコーストの関連性」といった、一般的には否定されている情報ばかりだ。さらには、ケイトさんは今年9月にロンドンで行われた大規模な反ロックダウン集会の中心人物の一人でもあった。

看護師として35年間のキャリアを持っていたケイトさん。しかしその言動が問題視され、看護助産評議会(NMC)により停職処分となった。しかし、多くの人々がケイトさんの主張に共感し、SNS上では続々とフォロワーを獲得。最終的にはFacebook、Instagram共に、誤った情報を意図的に拡散したとして利用停止に。ただ、Twitterでは人気を呼び、フォロワーは3倍に膨れ上がったという(現在はアカウント凍結中)。そんなケイトさんのことをセバスチャンさんは、「彼女は利己心の塊のような人で、注目の的になることが大好きなんです」と語った。

17歳で家を出たセバスチャンさん

今回カメラの前でケイトさんのエピソードを語ったのは、ケイトさんの影響を受け新型コロナウイルスを軽視し、健康被害を受ける人が増えてしまうことを心配する責任感からだった。

幼少期のことを聞かれると、「一言で言うと、地獄でしたね」と当時を振り返るセバスチャンさん。「家庭はそれなりに裕福でした。でもYouTubeでロスチャイルド家の宇宙居住や近い未来の大虐殺といった陰謀論の動画を観せられ続けていました」とセバスチャンさんは嘆息を漏らした。しかし10歳の頃に、何かがおかしいと気がついたという。そしてセバスチャンさんは17歳の時に家を出て、それ以来、ケイトさんとはメッセージアプリ上でのやり取りしか行っていないとのことだ。

インタビューの数週間前、セバスチャンさんはケイトさんから言うことを聞くようにと連絡が来たという。もしそれに従わなければ、5年以内にイギリスの人口の半分を殺すというCIAの陰謀のために、セバスチャンとその姉妹は命を落とすことになると述べたとのこと。

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