EVENT | 2019/07/24

ベジタリアンや海外からのゲストも満足!接待のための和会席レストラン「北大路・虎ノ門茶寮」【連載】ハズさない!接待メシ(7)

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たいていのレストランはアピールポイントやこだわりを打ち出しているものだが、「北大路」においてそれを...

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たいていのレストランはアピールポイントやこだわりを打ち出しているものだが、「北大路」においてそれを考えると、“接待に強い”ということに尽きる。接待相手がベジタリアンだった場合もここなら安心だ。和会席をどんな方にも喜んでいただけるようにというお店の心意気を感じた、ベジタリアン会席をご紹介しよう。

チェリー先生

食べ歩き部・部長

東京生まれ東京育ち。10代では外食好きな家族と、20代では目上の方々にあまたの東京レストランガイドをしていただき、30代以降は自分で開拓するのが楽しくなり、あらゆるスタイルの「外食」を楽しんできたグルメ女。プロならではのこだわりが見える瞬間、女王様気分を味わえる接客、味というよりも人に惹かれる瞬間などに魅力を見出し、レストランの楽しみ方を広げている。

都内に11店舗展開する「北大路」は、接待のためのレストランと言っても過言ではない。これまで連載で紹介してきた中でも、もっとも正統派な接待レストランなのだが、和服でのおもてなしに始まり、全室個室での会食を楽しめ、帰りのタクシーやお土産の手配まですべて任せられる安心感がある。接待のセッティングに慣れていない新人幹事にこそお勧めの一店だ。また、海外からのゲスト用に英語や中国語のメニューもあり、英語対応の仲居さんを配してくれるサービスも。

7000円と手頃なコースを筆頭に、さまざまなコース設定が用意され、奇をてらわない、どんな人にも喜んでもらえる和会席を提供している同店。その中でも今回紹介するのは、ヴィーガン対応の「ベジタリアン会席」 1万円。

重箱の蓋を開けると、夏を感じさせる団扇型の盆の上に並んだ色鮮やかな品々に目を奪われる。赤パプリカやエリンギの握り寿司は加熱して甘みが増し、適度な塩気が効いているお陰で、味気ない印象がまったくなく、野菜の旨味を堪能できる。枝豆の豆腐、ケシの実がまぶされた里芋の揚げ物など、食感も豊かで、野菜だけの会席ということを忘れてしまいそうだ。

メニューに“お造り”とあって気になっていたのが下の写真の一皿。アボカド、湯葉などを刺身醤油といただく。薬味が数種類添えられているので、変化をつけながら、また日本酒と合わせながら楽しめるだろう。

ワインは種類豊富とは言えないのだが、和会席だけあって、焼酎・日本酒はそこそこのラインナップが揃っているのも嬉しい。

ベジタリアンのお客様を和食店にお連れする時にネックになるのが、出汁だ。かつおや煮干しなどの動物由来の出汁を取っている店が多い中で、このベジタリアン会席では、動物性を排したヴィーガン仕様。出汁も野菜から取っている徹底ぶりで、丸みのあるやわらかな風味の椀や煮物を味わえる。

 「ベジタリアン会席なんて食べた気がしなさそう」という声も聞こえてきそうだが、デザートまで盛り込まれた全7品のしっかりとしたコース構成のせいもあり、想像よりも満足感は高い。四季折々の野菜をさまざまな手法で楽しめ、和食の懐の広さを感じることもできるだろう。

気のせいか、翌朝いつもよりも研ぎ澄まされた感覚にもなれる。たまのベジタリアン食もなかなか悪くないと思える瞬間を、食わず嫌いの人にこそ味わって欲しい。

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北大路 虎ノ門茶寮