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文:岩見旦
駅や高層ビル、デパートなどに設置してあるエスカレーター。本来は立ち止まって利用するものだが、東京では急いでいる人のために右側を空けることがマナーとして広まっている。
しかし、エスカレーターで左右特定の位置にしか立つことができない人がいることを知っているだろうか? SNS上で今、ある事情のためエスカレーターの片側空けができない人が持っているキーホルダーが注目を集めている。
「初めて見た!」SNS上に広まる反響
SNSで話題となっているのは「わけあってこちら側で止まっています」と書かれたキーホルダー。エスカレーターと3人がピクトグラム風にデザインされている。
あるTwitterユーザーが駅のエスカレーターでこのキーホルダーを目撃し、帰宅してすぐにリサーチ。すると、身体の麻痺などを患った人がエスカレーターに乗る際、安全を確保するため手すりに掴むのに、左右特定の位置にしか立てないことを示すためのものであると知ったという。
特に右側の手すりが掴みたい人にとっては、歩いて上る人の道を塞ぐことになり、危険で利用しづらいという現状がある。そんな時、このキーホルダーをカバンなどに着用することで、周囲への理解を後押しすることができるのだ。
14日、このキーホルダーを「ヘルプマークもだいぶ普及しつつあると思うので、他にもこういうのもあるという事が広まればと」というコメントとともに紹介したところ、12万5000件以上ものリツイートを記録。「初めて見た!」「このマーク欲しいな」「私の知人もこれを付けています」など、大きな反響が寄せられた。
これまで2000個以上配布
このキーホルダーを考案したのは、東京都理学療法士協会エスカレーターマナーアップ推進委員会。2020年に向けて、エスカレーターを歩く人がゼロになる社会を応援する啓蒙活動を行っている。
同協会は、2018年4月からこのキーホルダーを作成し、これまで2000個以上無料配布している。オンライン上の申し込みフォームから受け付けているが、現在は在庫が少なくなっており、配送に時間がかかるとのこと。
来年、東京パラリンピックを迎えるにあたり、すべての人が安心してエスカレーターに乗ることが出来るよう、新たな習慣が定着してほしい。