EVENT | 2020/05/03

「GWに遊び歩く悪いヤツ」はそんなにいるのか。4月に人が押し寄せていた観光地の模様

文・写真:神保勇揮
東京を筆頭に7都道府県で緊急事態宣言が出されて約1カ月が経過し、「自粛疲れ」の色もにじみ始めてきて...

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文・写真:神保勇揮

東京を筆頭に7都道府県で緊急事態宣言が出されて約1カ月が経過し、「自粛疲れ」の色もにじみ始めてきている。公園や海外といった屋外レジャースポットに人が押し寄せ、各自治体の首長が記者会見で「絶対に来ないでほしい」と悲痛な訴えをする光景も残念なことだが日常茶飯事となってきた。

2020年のゴールデンウィーク、後半の連休最初の土曜日(というメディアの言い方が、カレンダー通りに働いている身としてはとどうしても違和感を覚える、というか皆さんそんなに10連休とかにできてるんですか…?)を迎える5月2日。多くの自治体が危惧してきた「他都道府県からの観光客の大幅流入」は本当に起きているのだろうか?

「お前が外出しているんじゃないか」という批判も承知のうえで、現状を記録するべく実際にその目で確かめてきた。

人が激減する渋谷スクランブル交差点・東京駅

この日の最高気温は29度。快晴だがクーラーの効いた室内に引きこもっていたい暑さだ。

朝10時過ぎ、神奈川県民(および東京都町田市など周辺地域)のケータイには黒岩県知事から「GWはがまんのウィークです」というメッセージが緊急速報のエリアメールとして到着し、Twitterでは「家にいるのに朝から不穏な爆音アラームでびっくりさせないでほしい」などと大ひんしゅくを買っていた。

ちなみに同日16時ごろには北海道でも鈴木知事が発信していたが、やはり「心臓に悪い」と不評だったようだ。エリアメールを流すにしても、もっと穏当な方法に変えることはできないのだろうか。

今回の撮影で最初の場所に選んだのは渋谷駅前のスクランブル交差点。11時過ぎの光景は緊急事態宣言後のこれまでの土日と同様に「ほとんど人通りがない」という状態だった。

この写真を撮影し、すぐに山手線で東京駅に移動してみる。浜松町を過ぎたあたりから、自分の載っている車両の人が全員いなくなった。東京駅の構内はというと、どこもこんな感じだった。

東京駅は平日でさえ人とすれ違うのが億劫になるほどいつも多くの人で賑わっているが、こんなにガラガラな光景を生まれてこのかた見たことがなかった。

その後、東京駅からJR東海道本線で藤沢へ、さらに江ノ電に乗り継いで江ノ島に向かう。2週間前の4月19日(日)、外出自粛要請が出ており駐車場が閉鎖されている中で、空いている場所を求める車の大渋滞が起こり、浜辺には多くの人が詰めかけていたという。この日は他の公園や繁華街でも多くの人が出歩いていたというSNS投稿が大量に見受けられた。

江ノ島には観光客がいるのか

そんな江ノ島の13時過ぎ、駅前の片瀬すばな通り商店街の模様がこの通りである。

人がいない。というかお店も9割がた営業していない。張り紙を読むと緊急事態宣言が出た4月9日前後から営業自粛しているお店もかなり多い。江島神社の方に行けばもしかしたら人が集まっているかもしれない、と思い歩みを進めてもご覧の通りだ。

あえて属性を挙げるならば20~30代のカップルがメインで、あとは近隣住民と思われる男子学生たちや家族連れしか見かけない。

そもそも、商店街である江の島弁財天仲見世通りのお店も9割営業していないのだ。江島神社も祈祷の受付やご朱印授与などを停止している。

仲見世通りでほぼ唯一営業していた、芸能人の色紙を多数掲示する観光客向け飲食店に入って食事してみる。筆者の入店後もカップル客が次々と入ってきたが、それでも全座席の5分の1ほどしか埋まっていない。

会計する際、50~60代の男性店員に話を聞いてみると「確かに4月19日の渋滞はすごかったけど、ワイドショーはセンセーショナルな出来事があった時だけ駆けつけて囃し立てるだけ。それ以降ほとんど人は来ていないし、昨日(5月1日)だってガラガラで売上は散々でした。この時期はいつもならまっすぐ歩けないぐらい混んでいるのに…」と嘆息する。

江ノ島の様子を撮影するテレビ番組クルー。カップルのインタビューを取りたがっていたようだったが、晒し者にされたい人などいないため断られ続けていた。もちろん同じことをしている筆者に批判する資格はない

江島神社周辺に人はいなくても、海岸には多く人が詰めかけているかもしれない。そう思って撮影した片瀬東浜海水浴場の写真がこちらだ。

人、いなくないですか…?

この日も駐車場は封鎖されていた。路上駐車もあるにはあるし、駐禁キップを切ろうと警官が見回りしているのだが、さすがにドライバーたちも強く警戒しておりスキを見せることはない。そもそも、周囲にたいして車も走っていないのだ。

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