文:chopsticks
飛行機を利用中、前の乗客が勢い良くリクライニングを倒し、大切なものが壊れてしまったとしたら、あなたはどう思うだろうか。おそらく多くの人は冷静でいられないだろう。
今このリクライニングを巡り、航空会社の対応が賛否両論を呼んでいる。
客室乗務員のあまりにもな対応
米国テキサス州オースティンからカリフォルニア州ロサンゼルスに向かうデルタ航空のフライト中、その悲劇は起こってしまった。
飛行機が離陸して一息ついた頃、ポッドキャスト『Hard Factor』のホストを務めるパット・カシディさんは、折り畳み式テーブルの上に16インチのMacBook Proを載せた。すると、前の座席の人がリクライニングを倒し、パットさんのMacBookの画面は見るも無残に割れてしまったという。
パットさんはこの出来事について、デルタ航空の公式Twitterアカウントに向けて「小さな注意書きを表示するだけで構わないので、前の人のリクライニングによってパソコンが壊されてしまうのを防いでくれませんか」とツイートした。
さらに「また、これは提案というよりも批判なのですが、客室乗務員が私に『前のお客様にはリクライニングをする権利があります』と言いに来ました。そして、前の乗客には『彼は大丈夫のようです』と言い、まるで座席のリクライニングによって私の一時が台無しなったわけではないと伝えたことに、本当に感謝しています」と痛烈な皮肉を放った。
子ども向けの謝罪文と8000円相当のギフトカード
デルタ航空はパットさんの怒りを受け取ったが、それに対する謝罪の返答は次のようなものだった。
「別のお客様が座席をリクライニングしたことにより、あなたのノートパソコンが壊れてしまったことについて申し訳なく思います。ただ、ある人の行動が別の人に影響を与えるのは不公平です。お客様の行為によって機内で破損した私物については弁償することができませんのでご了承ください。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
パットさんはこの文面のスクリーンショットを添付し、「デルタは私に75ドル(8000円相当)のギフトカードと、6歳の子どもにしてあげるような説明をくれました。クールだぜ」と怒りを滲ませたツイートを投稿した。
デルタ航空の誠意があるとは言い難い対応は、多くの反響を呼んだ。実は、デルタ航空のフライト中にノートPCが破損したのは今回が初めてではないらしい。パットさんのツイートに同じ経験をしたという声も寄せられている。
確かにリクライニングは乗客に許された権利であるため、前に座る人を批判することは難しい。とはいえ、リクライニングできる座席を提供する航空会社は、想定される事故や起こってしまった事故に対し、相応の責任を負ってもらいものだ。