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文:chopsticks
新型コロナウィルス流行によるマスクやトイレットペーパーの買い占めは日本だけで起こっているわけではない。中国をはじめとするアジア諸国はもちろん、ヨーロッパの国々でも買い占めが問題になっている。
そして今、アメリカでも買い占め騒動が勃発している。ただ、どうやら少し毛色が違うようだ。
ネットでも実店舗でも弾薬の売上が上昇
新型コロナウィルスの感染が国内で広がりを見せているアメリカでは、手術用マスクや消毒剤、トイレットペーパーといった品々の他、意外なアイテムの売上が伸びている。それは、「弾薬」だ。『全米ライフル協会』が報じた。
オンライン上で弾薬の販売を行っている「ワイドナーズ・リローディング&シューティングサプライ」では、2月23日から25日にかけてのアクセス数が昨年に比べて99.7%増加し、売上もほぼ倍増したという。このサイトのスタッフであるジェイコブ・ロングさんは「お客様が最悪のシナリオに備えたいと考えていることは明らかです」「多くの家族にとって、弾薬を手に入れることは災害対策の1つなのです」と話す。
また、実店舗でも同様の現象が起きており、ノースカロライナ州フェイエットビルにある「マネー・クイック・ポーン&ガンズ」では、ここ数ヶ月で拳銃とライフルの弾薬の両方の売上が明らかに増加し、2月は記録的な売上だったとのこと。
非常食やサバイバル用品の売上も顕著
弾薬の売上が急増しているものの、マスクやトイレットペーパーのように市場から消えることは無さそうだ。さまざまな弾薬を取り扱っている「ブラウンネル」のコンテンツ・コミュニケーション担当ディレクターであるライアン・レップさんは「私たちは弾薬と緊急物資のどちらも十分に提供できる」と明かしており、十分な在庫を抱えているようだ。また、弾薬の売上以上に非常食やサバイバル用品の売上が伸びているという。
ただ、「ワイドナーズ・リローディング&シューティングサプライ」では、アメリカのいくつかの州で驚くべき数の弾薬が注文されていると説明。ミシガン州で566%増加、コネチカット州で390%増加、フロリダ州で383%増加、ケンタッキー州で304%増加、ニュージャージー州で241%増加と驚異的な注文があったとのこと。
「何が起きるんです?」日本のSNSでも話題に
アメリカで弾薬が飛ぶように売れているというニュースは、日本国内のTwitterでも話題になっている。銃社会に馴染みの無い人々は「何が起きるんです?」「新型コロナウイルスに感染してもゾンビにはならないんですが……」「暴動から身を守るため?」と驚きを隠せない様子だ。
危機的状況に陥ったとき、どのように行動するかは、その国の国民性も如実に現れるものなのかもしれない。