参拝で終わらせない。滞在時間を延ばす仕組みを民間からつくる
琴平バス株式会社 は、旅行者が 琴平町 での滞在中に楽しめる体験やツアーを一覧・予約できる地域観光プラットフォーム 「Kotohira Travel (コトヒラトラベル)」 を、2026年3月31日から開始した。
香川県琴平町は、金刀比羅宮 の門前町として年間211万人が訪れる一方で、平均宿泊数は1.13泊にとどまる。参拝を目的とした来訪が多く、滞在時間の短さが課題となっている。
これまで高松や関西方面からの高速バス、地域路線バスを運行し、人を運ぶ役割を担ってきた琴平バスだが、「訪れた後の過ごし方」を支える仕組みは十分とはいえなかった。バスを降りた後の体験を自ら設計することで、滞在や再訪につなげたいという考えから、本サービスの開発に至ったという。
「Kotohira Travel」 では、体験ツアーや宿泊、飲食、土産、観光スポットといった情報を一つの導線にまとめ、発見から予約・購入までをスマートフォン上で完結できる。日本語・英語・繁体中文に対応し、訪日旅行者の利用も見込む。
観光事業者に限らず、地域に暮らす住民も体験の提供者として参加することが可能で、自身の営みや技術を体験として登録し、旅行者と直接つながる機会を生み出す仕組みとなっている。観光消費にとどまらず、人との出会いを通じ、記憶に残る滞在を目指す。
さらに、デジタルノマドや多拠点生活者といった長期滞在層の取り込みも視野に入れている。継続的に新しい体験を提示することで、「次に何をするか」を提示し続けることで、単発の観光ではなく、日常的に使われる地域プラットフォームとしての役割も担いたいとしており、すでに老舗飴屋での飴づくり体験や讃岐うどんの調理体験、着物レンタルによる参道散策、アクセサリー制作など、地域の文化や営みに触れるプログラムなどが提供されている。
琴平バス代表取締役の楠木泰二朗氏は、「これまでの仕事は人を運ぶことだったが、その先の過ごし方は旅人任せだった。参拝して帰るだけで終わる現状に課題を感じていた」と述べる。その上で、地域の人々が体験の担い手となり、訪問の理由を積み重ねることで、何度でも訪れたくなる場所へと変えていく考えを示した。今後の展開に期待したい。
Kotohira Travel (コトヒラトラベル)
https://www.kotohira-travel.com/