電子レンジには入れていけないものがある。有名なものとして、卵が挙げられるだろう。中に入れて加熱し、爆発させたことがある人もいるだろう。
実は卵以外に、ある食べ物を電子レンジに入れると、プラズマが発生し危険ということをご存知だろうか?
プラズマ発生の原因は電磁波と荷電イオン
事の発端は、料理研究家のじゅなさんが、卵より「さらに絶対に電子レンジに入れていけない食べ物がある」と2019年11月18日にTwitterに投。その入れてはいけないものとは、なんとフルーツのぶどう。「特に2つはNG。プラズマが発生して、ぶどうが燃える」と明かし、火災になる危険性があると注意を促した。
なぜ電子レンジにぶどうを2粒入れるとプラズマが発生するのだろうか。そのメカニズムは長年謎だったが、カナダのトレント大学の研究チームが原因を解き明かしたのだ。
『米国科学アカデミー紀要』に寄稿された論文によると、研究チームはまず、どの程度の被害が発生するのかを調査。実際にぶどうを入れてみるとプラズマが発生した上に炎上した。その勢いは凄まじく、12台もの電子レンジが壊れたという。
多大な損害を出しながら、研究チームはようやくその原因にたどり着く。プラズマを発生させたのは、電磁波と荷電イオン。ぶどうの小さな組織に電子レンジから発せられる電磁波が集中することで、分子が引き裂かれる際、荷電イオンが発生。このイオンが皮を伝ってぶどうに流れたのち、空気中に放出されてプラズマの光を発生させていた。
ぶどうは電磁波を受けやすい屈折率とサイズであり、2粒入れるとエネルギーが集中するスポットが生まれるため、プラズマを発生させる可能性が高いとのこと。
電子レンジは極めて便利な文明の利器だが、使い方を間違えてしまうと、人間の生活を脅かす事態になってしまうこともある。ぶどうなど温める必要がない食べ物や、入れることを想定していない物は、絶対に入れないでいただきたい。
2023年2月21日更新(初出は2019年11月27日)