文:岩見旦
唐辛子など7種類のスパイスの入った七味唐辛子。蕎麦や牛丼に入れて、ピリリとした刺激のある風味を楽しむ日本生まれの調味料だ。
この七味唐辛子の読み方が今、SNS上を騒がせている。
七味唐辛子のパッケージに「NANAMI」
あるTwitterユーザーが、エスビー食品が販売している海外向けの七味唐辛子を紹介。そのパッケージには、アルファベットで「NANAMI TOGARASHI(ななみとうがらし)」と書かれていたのだ。
5日に投稿されたこのツイートは瞬く間に拡散され、現在4万3000リツイートを記録。「しちみだと思っていた」「訓読みだったの?」「今年一番の衝撃」「誰よその女!」といった驚いた人からの反応が多数寄せられた。
外国人にとって発音が混合しないように、読み方を変更
日本では「しちみ」と呼ぶのが一般的だが、「ななみ」が正式な読み方なのだろうか。その答えはエスビー食品の公式サイトに載っていた。
外国人にとって、七味(しちみ)と一味(いちみ)の発音が似ているため混合しないように、海外向け商品は「NANAMI TOGARASHI」という表記にしていたのだ。つまり、「しちみ」が正しい読み方で間違いない。
メイド・イン・ジャパンが海外に進出するにあたり、名前を変更するケースは他にもある。乳酸菌飲料のカルピスは、英語では「牛のおしっこ」と聞こえてしまうことから、アメリカでは「CALPICO(カルピコ)」として販売。近畿大学は「KINKI」が英語では「kinky(変態)」に聞こえるため、英文名称を「KINKI UNIVERSITY」から「KINDAI UNIVERSITY」に変更した。
中身も異なる国内向けと海外向けの七味唐辛子
国内向けと海外向けの「S&B七味唐からし」、異なるのは読み方だけではない。実は中身も違っているのだ。
国内向けの商品は唐辛子、山椒、陳皮、青のり、ごま、麻の実、けしの実の7種類のスパイスを使用している。しかし、一部の国では麻の実、けしの実が法律で規制対象になっているため、この2種類のスパイスの代わりに、白ごま、しょうがを入れて、輸出しているという。
読み方だけでなく、中身も異なった「NANAMI TOGARASHI」。食べ比べてみたら、意外と「しちみ派」と「ななみ派」に分かれるかもしれない。