新年あけましておめでとうございます。今年FINDERSは創刊2年目を迎えます。そこで、年始企画として昨年、FINDERSに登場してくださった方々に2018年の私的ベスト1と2019年はコレが来る!という予想、そして2019年に挑戦してみたい仕事を挙げていただきました。
今回、登場するのは永田暁彦さん(ユーグレナ/リアルテックファンド)です。
デザイン:大嶋二郎
永田暁彦(ながた・あきひこ)
株式会社ユーグレナ 取締役CFO株式会社ユーグレナインベストメント 代表取締役社長リアルテックファンド 代表
慶応義塾大学商学部卒。独立系プライベート・エクイティファンドに入社し、プライベート・エクイティ部門とコンサルティング部門に所属。2008年にユーグレナ社の取締役に就任。
ユーグレナ社の未上場期より事業戦略、M&A、資金調達、資本提携、広報・IR、管理部門を管轄。技術を支える戦略、ファイナンス分野に精通。現在はユーグレナ社の財務、戦略およびバイオ燃料などの事業開発責任者を務めるとともに、日本最大級の技術系VC「リアルテックファンド」の代表を務める。
本質的な価値を持つ「研究者」に投資し、カネでカネを生む資本主義に立ち向かう─リアルテックファンド代表・永田暁彦
1:2018年のヒト・モノ・コトの中で「私的ベスト○○」1つ
松本晃(RIZAPグループ 代表取締役 構造改革担当)
(※編集註:同氏は19年1月1日付けで代表権を返上した)
カルビーCEO退任からライザップCOO、ライザップのM&A戦略の見直し、COOから構造改革特任の代表取締役になるなど、この1年で大きな変革をライザップにもたらすとともに、ベンチャー企業に大きなニュースを与えました。伝説的なプロ経営者のベンチャーへの加入は、これからのベンチャー経営陣に大きな影響を与えることになるでしょう。物事は最初に轍をつくることが難しいのですが、松本氏がその一歩目を生んだことで、今後同様の流れが生まれると考えています。
ライザップは、独自のMA戦略で急成長し、80社というグループ会社を作ってきた過程に多くの優秀な人材が加入していたことも知られています。しかし、松本氏にしかできない変革があることに、「経営者」の存在意義と、改めて我々若い世代の経営者への強烈な意味を突き付けました。
2:「2019年はコレが来る!」と思っているヒト・モノ・コト
SDGs
2015年に採択され、政府間および企業間、経営者間では当然のキーワードとなっていますが、一般生活者に対するキーワードとしての浸透は2019年からではないかと考えています(期待を込めて)。特に、2018年10月にIPCCが発表した気候変動に関する特別報告書に代表される温暖化の問題は、加速度的に課題が肥大化しています。
日本においては原発の課題以降、火力発電に頼っており、CO2の議論はある種表立ってなされにくいものとなっています。そのせいで、世界の対策に対する動きから日本は劣後しています。かつて環境先進国と言われた日本が後れを取り始めている今、未来の地球のために社会全体に意識付けが必要であり、SDGs採択から4年経ちその空気が醸成しつつあると感じています。
3:2019年に挑戦してみたい仕事
ユーグレナおよびリアルテックファンドの活動は、サイエンスとビジネスを結び付け、かつてない価値を地球にもたらす活動をしてきました。その活動を通じて2018年から重要性を感じているのが、アートおよびクリエイティブです。世界の課題を解決するために、この領域の人材の登用とサイエンスおよびビジネスとの紐づけは重要性が増しています。
2018年7月から「サイエンス&アート」をテーマとした創造性拡張実験プロジェクト「Mitaxis(ミタクシス)」という活動や、美大での講演などを通じて人材の流動性向上を目指しましたが、その方向性は2019年により強くしていきたいと考えています。