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トランスジェンダーの女性パワーリフティング選手、世界タイトル剥奪。大会出場時、男性だったと判断
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  • 2019.05.16
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トランスジェンダーの女性パワーリフティング選手、世界タイトル剥奪。大会出場時、男性だったと判断

文:岩見旦

トランスジェンダーの女性パワーリフティング選手が、世界タイトルを剥奪された。その理由とは、この選手が、大会時に男性であったと判断されたためだ。

トランスジェンダー女性選手に反発の声

男性から女性に移行したメアリー・グレゴリー選手は4月27日、RAWパワーリフティング連盟の大会に出場し、女性のスクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどの世界記録を樹立。さらにパワーリフティングのスコアで世界記録を打ち立てた。

グレゴリー選手はInstagramを更新し、連盟に対し「一人の女性選手」として扱ってくれたことに感謝を綴っていた。

しかし、この結果に一部の女性アスリートが問題提起した。イギリスの元オリンピック選手シャロン・デイビス氏は、自身のTwitterに、「男性の身体と生理機能を持ったトランスジェンダーの女性選手がアメリカの大会で優勝し、世界記録を更新しました。女性の身体を持つ女性は太刀打ちできない。無意味で不公平な戦いになる」と反発の声を挙げた。

パワーリフティング連盟が剥奪の理由を発表

議論が紛糾する中、RAWパワーリフティング連盟は5月1日、グレゴリー選手は女性選手の基準を満たしていなかったため、世界タイトルを剥奪するという裁定を下した。

代表のポール・ボッシ氏はメディアへの声明で、「この女性選手はトランスジェンダーの女性になる過程であり、実際には男性であった」と理由を述べた。

そして、「私たちの規則では、競技のための性別を分ける基準は身分証明ではなく、生理学的な分類に基づきます」「今回のケースについて、理事会に提出された情報に基づいて、正しい生物学的分類は男性であると結論づけました」と明かした。

性別適合手術を受けていない身体を問題視

Outsports 』によると、グレゴリー選手はすでに名前や身分証明書を女性に変更。この11カ月間、エストロゲンやスピロノラクトンといったホルモン阻害薬を使用し、テストステロンの値を調整したという。しかし尿検査の際、性別適合手術を受けていない身体を指摘されたとのこと。

「完璧な世界、完璧な状況下ではおそらく手術を受けるでしょう」とグレゴリー選手。「私は自分の身体に執着していない。私自身を定義するものではないが、嫌いではない」とも。

オリンピックにおいては、2016年に規定が改訂され、女性から移行した男性トランスジェンダー選手はほぼ無条件で出場できるものの、男性から移行した女性トランスジェンダー選手はテストステロンの値が12カ月間にわたり基準を下回ることを証明するなど、いくつかの条件が残っている。

東京五輪を控える日本においても、注視していかなければならない課題のひとつだ。


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