CULTURE | 2019/01/31

「部下にもっと本を読んでほしい」と思っている管理職は6割!新社会人におすすめの本は?

文:岩見旦
紙の本の売上が13年連続で前年を下回る一方、電子書籍の売上が大きく成長している。私たちの読書週間が大きく変...

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文:岩見旦

紙の本の売上が13年連続で前年を下回る一方、電子書籍の売上が大きく成長している。私たちの読書週間が大きく変化する中、楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」が「上司と部下の読書事情に関する調査」を行った。

調査期間は1月7日〜10日。管理職400人と若手社員(役職についていない20代前半の社員)300人の計700人を対象に、インターネットにて実施した。

管理職はあまり本を読まないけど、部下には読んでほしい?

ビジネスパーソンの2018年の年間読書量の質問では、全体の60.8%が月1冊未満しか読書をしていないという結果に。月1冊以上本を読んでいる管理職は41.6%、若手社員は36.0%と、管理職がわずかに上回った。

管理職を対象に、自分の部下にもっと本を読んでほしいと思うかとの質問には、60.0%が「そう思う」と回答。

さらに、部下にもっと本を読んでほしいと答えた管理職に、実際に本を薦めたことがあるかと尋ねたところ、63.6%が「ある」と答えた。

つまり、管理者も若手社員もどちらも読書習慣がないにも関わらず、上司は部下に本を読んでほしいと思っているということが明らかになった。

管理職は将来を期待している部下に本を読んでほしいと思っている

管理者を対象に、どんな部下・後輩に本を薦めたくなる、または薦めたいと思うかを聞いたところ、トップは「今後成長が期待できる部下、後輩」(36.7%)。続いて「仕事に対して意欲的な部下、後輩」(32.1%)「自分と同じ部署の部下、後輩」(30.8%)と並んだ。

モチベーションの低い部下を奮い立たせるために本を薦めるケースは稀で、より将来を期待でき、より向上心に溢れている部下に薦めているようだ。

部下は意外と上司から薦められた本を読んでいる

若手社員に、上司や先輩から本を薦められたことがあるかを尋ねたところ、47.0%が「経験がある」と回答。

さらに、実際に薦められた本を読んでいるかを聞いたところ、「読んでいる」と回答した人は58.1%。意外と多くの部下が上司から薦められた本を実際に読んでいることが明らかになった。

上司から薦められた本を読む理由は、トップは「薦められた本に興味があるから」(43.9%)。「内容が読みやすそうだから」(30.5%)、「上司や先輩の薦め方が魅力的だから」(29.3%)と並んだ。

管理職が新社会人に薦める本はビジネス書と歴史小説

最後に、管理者を対象に今年4月に入社する新社会人に薦めたい本を尋ねた。

複数人が薦めていたのは、『人を動かす』(デール・カーネギー)、『失敗の本質』(戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎)、『7つの習慣』(スティーヴン・R.コヴィー)といったビジネス書。また、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)、『坂の上の雲』(司馬遼太郎)など歴史小説もあがった。

これらの本はこの手の調査で必ずといっていいほど、名前の挙がる名著ばかりだ。だが一方で堅苦しく読みづらい印象があり、自ら手を伸ばす機会はあまりないだかもしれない。しかし、長年読まれているのには、それ相応の理由がある。そうした本を薦めることで機会をつくり、部下の背中をそっと押すのも上司の役割なのかもしれない。