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「太りそう・身体に悪そう」のイメージを一新する、スナックミーの「ギルトフリー」お菓子サブスク
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  • 2018.10.11
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「太りそう・身体に悪そう」のイメージを一新する、スナックミーの「ギルトフリー」お菓子サブスク

お菓子を勤務中に食べるビジネスパーソンは意外と少なくないはず。出社してからランチまでの間、夕方小腹が減った時、残業の時などシーンはさまざま。食べることで集中力をキープしたり、疲れを和らげている人もいるだろう。筆者も同様だ。

ただ、常に気になるのはカロリーであったり、内容物である。「太っちゃうかも…」「身体に悪いかも…」とちょっとした罪悪感にさいなまれる人もいるだろう。

この問題を解決すべく、そうした罪悪感を生じさせない「ギルトフリー」なお菓子の開発・販売に取り組むベンチャーがいる。スナックミーだ。

高見沢徳明

株式会社フレンバシーCTO

大学卒業後金融SEとして9年間勤めたあと、2005年にサイバーエージェントに入社。アメーバ事業部でエンジニアとして複数の案件に従事した後、ウエディングパークへ出向。システム部門のリーダとなりサイトリニューアル、海外ウエディングサイトの立ち上げ、Yahoo!などのアライアンスを担当。その後2012年SXSWに個人で参加。また複数のスタートアップ立ち上げにも参画し、2016年よりフリーランスとなる。現在は株式会社フレンバシーにてベジフードレストランガイドVegewel(ベジウェル)の開発担当。

ギルトフリーというコンセプト

スナックミーのお菓子たち

最近徐々に話題になってきている「ギルトフリー」というジャンルの食品をご存知だろうか。白砂糖や添加物などを一切使用しないため、前述のように「太っちゃうかも…」「身体に悪いかも…」という罪悪感を生じさせないのがウリだ。

スナックミーはそんな「ギルトフリー」スナックを毎月送ってくれるというサブスクリプションサービスで、個人の好みに合わせて色んなバリエーションを用意している。月額は1,600円(税別)で、現在の登録者数は数千人に上っているとのこと。驚くのは多くの製品が自前で作っているというところである。

和菓子もプロテインバーも

スナックミーのユーザー登録にあたって、最初にいくつかの質問に答える必要がある。その上でお試しセットが送られてくる。

お菓子の種類は170種類で、その中で毎月10〜20種類を商品開発して入れ替えている。中にはパティシエがお試しに作ったものをそのまま商品にして入れていることもあるという。

筆者が食べたものの中ではドライパイナップルやフリーズドライのストロベリー、そら豆チップスに燻製黒胡椒をかけたものが美味しかった。

美味しく食べた後は、自分のマイページ上で気に入ったものがどれか評価していくことで、さらに好みに合ったおやつが送られてくる仕組みだ。毎月違ったおやつが届くので、宝箱を開けるような楽しみがある。これこそがスナックミーが大事にしている「おやつをもっと楽しく!」という体験だ。品質改善のためにCEOの服部慎太郎氏も自ら電話ヒアリングを行うことがあるが、ユーザーたちは非常に積極的に回答してくれるという。

お菓子は保存の関係もあり乾き物がメインだが、時々変わり種としてサブスクでは買えない特選商品も販売している。その代表がわらび餅などの生菓子を自作するというキットだ。わらび餅キットの場合は1,400円(税別)と安いわけではないが、販売開始後に即完売の大ヒット。

服部氏によれば「世の中に売られているわらび餅は偽物でわらびはほとんど入っていない」のだという。なのでスナックミーのわらび餅にはプレミア感があるらしい。

わらび餅を作るキット。本物のわらびを使用しており、米飴を入れて10分ほど混ぜて作る。

また現在扱っているのは女性でも食べられるプロテインバーだ。ボディメイクには欠かせないプロティンは味に難があるものが多く、特に女性にはウケが悪い。添加物が多いのも不評の原因だ。これもスナックミーが取り組んでいる課題である。

プロテインバー「CLR BAR」。あえてパッケージの表面に原材料を表記してわかりやすくしている。

プロテインバーの見た目はフィナンシェにも似ている。えんどう豆のプロティンを使用しているが味は普通に練り菓子だ。フィグ(いちじく)の入ったバーを試したがつぶつぶの食感が程よくお茶に合い、食べやすい。

スナックミーの配送はオフィスまたは自宅を選ぶことができる。筆者は職場にお菓子を届けてもらうのを人に見られたくないので、自宅宛にしている。だが、オフィスでこそギルトフリーなお菓子を食べたいというユーザーの割合は多い。そういうニーズも考慮し、オフィスグリコのようなかたちで注文することもできるようにしている。

福利厚生のひとつとしてこうしたおやつが職場にあれば、不健康な食生活からは開放されるかもしれない。

オフィスはまるでお菓子工場

一体スナックミーはどんな会社なのだろうか。東京は隅田川沿いにあるオフィスに潜入してみた。

エントランスからしてすごい。まるで工場のようだ。

スナックミーの入っているビル

入り口にもお菓子が

隅田川の風景が開放感を感じさせるオフィス

建物の最上階にあるオフィスは川沿いで景色が最高のロケーション。しかし、内部は企業秘密のため写真はNG。製造エリアは無菌状態となっていてパティシエが黙々と何かを作っている。社内に設置された棚には作られた商品が所狭しと並べられている。

製造中のお菓子たち

CEOの服部氏はコンサルティング業界では有名なボストンコンサルティング出身。もちろん毎日が激務で遅くまで仕事をしていた。いつも職場にはコンビニで買ってきたお菓子があり、食べながら仕事をしていた。だが結婚して、子供ができてから急に食べている内容物が気になり始めたという。

「これは子供には食べさせられるものなのか?」という疑問は日に日に募り、お菓子を買う時には原材料を気にせずにはいられなくなった。そこで体にいいお菓子を集めて売るというサービスを始めたのだ。

CEOの服部慎太郎氏

自社でお菓子の製造もするにあたり、食品衛生法上の許可も取得した。「おやつをもっと楽しく!」のコンセプトにいろんなメンバーが集ってきた。創業メンバー以外で社員1号となった広報はもともとスナックミーのユーザーだったという。デザインを担当しているのもスナックミーのユーザー。コンセプトを理解しているユーザーが一緒に作り上げる理想のチームだ。

パティシエも募集を始めたところたくさんの応募があったという。パティシエの多くは飲食店やホテル、スイーツショップなどで働くこととなるが、そうした広義の接客業は朝早くから仕込みをし、夜遅くまで勤務する必要があり、ワークライフバランスが崩れがちだ。そうした中で、スナックミーの志を共にしているのはもちろんだが、ある種メーカーのR&D部門のような勤務形態に惹かれるというのは理解できる。

「とはいえお菓子作りのレシピはネットにも溢れているし、意外とハードルは低い」と服部氏は言う。ただ筆者がCTOを務めるフレンパシーでもあらゆる添加物、不健康食材、アレルゲンなどを取り除いたフリーフロム(「○○が含まれていない」という意味)なうどんを作っているのでわかるが、商品開発の難易度は非常に高い。原価の問題もある。スナックミーのビジョンに共感しているからこそ、それを実現できる優秀な仲間が集ってくるという好例ではないだろうか。

スナックミーの将来について服部氏に聞いてみたところ、「IT企業的な発送から生まれたお菓子メーカーを作りたい」とのこと。この業界はトップがカルビー2,000億、森永とか1,000億となっており、市場規模は3兆円ある。これらの企業に肩を並べるというのが服部氏の夢である。

かつて1999年にサービスを開始したオフィスグリコは10数年かけて黒字化し、その後の売上も順調に増加。現在では会社の売上高の数%を支える事業にまで成長した。スナックミーもそうした成長曲線を描き、新興お菓子メーカーとしてプレゼンスを示していけるるだろうか。今後も注目したい。


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