LIFE STYLE | 2018/08/23

社会主義国キューバ・ハバナの旧市街【連載】世界の都市をパチリ (20)

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宮崎大輔
1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJ...

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宮崎大輔

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1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊に参加。中米パナマ共和国で農業指導を2年間行う。2015年からフリーランスになり日本、東南アジア、南米、アフリカの案件に農業コンサルタントとして従事。またノマド生活をしながら、世界中でスナップ写真やポートレート写真を撮影中。ブログ  

社会主義国キューバへ

友人からキューバ旅行へ誘われたので、すぐにオッケーと返事をしました。その友人は会社員なのでわずか5日間の旅行でしたが、私はフリーランスという強みを活かして2週間旅してきました。キューバでは首都ハバナの旧市街と新市街で行われたメーデーのイベント、ダンスの街トリニダ、そして大自然が溢れる街ビニャーレスへ行ってきました。

キューバといえば、カストロ兄弟やチェ・ゲバラが独立させた社会主義国として有名ですよね。キューバは日本人旅行者からも人気の旅行先ですが、実は私自身はあまり興味がありませんでした。もともとキューバから見てカリブ海の対岸に位置するパナマ共和国に住んでいたこともあり、キューバに関する良い話も悪い話もよく聞いていたからです。なので、「カラフルなクラシックカーを見に行こう」というような軽い気持ちにはなれませんでした。

それなのにキューバへ行くことにした理由は、アメリカとの国交が回復することでキューバが大きく変わりそうだったからです。キューバが変わる前に今の姿を見ておこうと思い、まずは首都のハバナへ向かいました。

過去へタイムスリップした気分

キューバの首都ハバナには、大きく分けて2つの地域があります。昔ながらの街並みを残す旧市街エリアと、ビルが建ち並ぶ新市街エリアです。観光客に人気なのは旧市街エリア。旧市街は16世紀に建設が始まった歴史ある街で、今でも1940年代頃のアメ車が走っています。崩れかけた住居とカラフルなお店が混在していて、いくら歩いても飽きることがありません。旧市街を歩いているとレトロな建物と車が多いので、過去にタイムスリップしたような気分になれます。

街中にはド派手な色のオープンカータイプのクラシックカーが走っていますが、あれは観光客向けのタクシーです。ハバナの風を感じながらドライブするのも楽しそうですが、私が気に入ったのは地味な見た目のオールドカーです。こちらは観光客向けの乗り物ではなく、現地に住む人が生活のために使っている車です。観光客向けの車と違い派手さはありませんが、旧市街の雰囲気にあっているのはこちらだと思います。

世界中から観光客が集まる

旧市街は観光名所が多いので、常に観光客で賑わっています。特にヘミングウェイが愛したというフローズン・ダイキリが飲めるBarエル・フロディータや、モヒート発祥のお店といわれるBarボデギータ・デル・メディオは大人気です。他にも革命博物館やモロ要塞、エル・カピトリオとよばれる旧国会議事堂も人気があります。

チェ・ゲバラは観光客から人気が高いので壁画が描かれていて、そこが記念撮影スポットになっています。お土産物屋さんに行っていると、チェ・ゲバラグッズの多さに驚きました。キューバといえばチェ・ゲバラ、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

物資は少なくインターネットもできない

「キューバには貧富の差がなく、就学や医療が無料だから理想の国」と考えている人もいるようですが、実際には生活が苦しいことや自由に生きられないことが原因で、他国へ亡命する人が後を絶たないのが現状です。旧市街を歩いていると、ゴミ箱を漁っている人もたくさんいました。また、旧市街のスーパーマーケットや家電量販店に行ってみると、あまりにもモノがなさすぎて棚が空っぽになっているお店もあります。輸入品を取り扱うお店にはそれなりにありますが、値段が高いので買い物をしているのは外国人旅行者ばかりです。

インターネットのインフラ整備も進んでおらず、未だにインターネットが使えるのは公営のWi-Fiゾーンだけです。そのWi-Fiゾーンは高級ホテルや公園内にあり、その周りにはネット回線に飢えたキューバ人の若者や外国人旅行者が群がっています。このWi-Fiを使うためには1時間あたり200円ほどの使用料が必要で、無料のWi-Fiが当たり前の世界から来た外国人旅行者はみんな戸惑っていました。