Photo by Shutterstock
文:岩見旦
意図しない妊娠を防ぐ避妊薬。女性ホルモンに働きかけて避妊を促す低用量ピルなど、避妊薬は女性を対象とするものが主流だ。そんな中、精子に作用し妊娠を防ぐ男性用ピルに関する研究が急速に進められており、もしかしたら近い将来、入手できるようになるかもしれない。
なぜなら、男性用ピルの研究をサポートしているのが、マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏だからだ。ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じ、研究者たちに大規模な資金提供をしている。
今後2年間の研究費として1億9000万円相当の援助
男性用ピルの研究を行っているスコットランドのダンディー大学は今月3日、プレスリリースにて、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から、今後2年間の研究費として170万ドル(約1億9000万円)の資金提供を受けたことを発表した。
同大学の研究チームは、高速顕微鏡と画像処理ツールを使用した小型のパラレルテストシステムを開発。このシステムで精子の素早い動きを正確にモニタリングすることで、男性用ピルになりうる既存薬を特定するテストを実施するという。
ゲイツ氏は2018年にも、同大学の研究に90万ドル(約1億円)以上を援助しており、今回の資金提供でさらなる研究の促進が期待されている。
次ページ:男性避妊の新しい時代を切り開く鍵に