CULTURE | 2021/07/10

『セサミストリート』に男性カップルとその娘が初登場。監督が明かす「愛は愛です」

文:岩見旦

1969年の放送開始以来、世界中の子どもたちを魅了してきた教育番組『セサミストリート』。エルモやクッキ...

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文:岩見旦

1969年の放送開始以来、世界中の子どもたちを魅了してきた教育番組『セサミストリート』。エルモやクッキーモンスターなど、個性豊かなキャラクターは幅広い世代に愛されている。

そんな同番組に参加した、新たな登場人物が注目を集めている。

「私たちを家族としているものは、互いに愛しているということです」

先月17日、HBOMaxとYou Tubeにて放送された『セサミストリート』のエピソード「Family Day(家族の日)」に、男性カップルとその娘が登場した。同番組に結婚している同性カップルが登場するのは初めてだという。

家族を招いてのパーティーで、自転車店を経営するニーナは2人の男性と1人の女の子を「私の兄のデイブ。その夫のフランク。そして、姪のソブリナミアです」と紹介。男性カップルが登場したことについて、特段説明もなくストーリーは進んでゆく。そして他のキャラクターの家族も登場すると、フランクは「色んな家族がいますね。ただ、私たちを家族としているものは、互いに愛しているということです」とコメントし、周囲が同意するという一幕が盛り込まれている。

セサミストリートが伝える多様性とインクルージョン

このエピソードを監督したアラン・ムラオカ氏は、自身のFacebookで「セサミストリートは常に多様性とインクルージョンを歓迎してきました」「重要であり一つの区切りとなるこのエピソードを監督でき、とても光栄で謙虚に受け止めています。愛は愛です。この特別な家族がセサミストリートに加わったことを嬉しく思います」と綴った。

LGBTQ関連のメディアモニタリングを行っている非政府組織GLAAD代表のサラ・ケイト・エリス氏は、『Yahoo Entertainment』の取材に、「セサミストリートの『家族の日』のエピソードは、家族にはあらゆる形があり、愛と受容が家族にとって最も重要な要素であるというシンプルかつ肝心なメッセージを発信しています」と称賛。「ミアの父親であるフランクとデイブは、子ども番組におけるインクルージョンのトレンドの最新キャラクターです。何百万人もの誇り高きLGBTQの両親とその子どもに向け、私たちのような家族がテレビに出るのを見られるようになったのです」とコメントした。

『セサミストリート』はかねてから、社会問題に取り上げ、子どもたちに伝える活動を行ってきた。昨年はエルモの父親がエルモに、Black Lives Matterを解説する動画を公開。先月には、アジア人差別に焦点を当てたエピソードを展開し、大きな反響を呼んだ。同番組が伝える多様性とインクルージョンの重要さは、きっと世界で差別がなくなる一つのきっかけとなっているのだろう。