LIFE STYLE | 2021/05/19

自身の妊娠に気付いていなかった女性、ハワイへのフライト中に出産。機内には偶然、医師と看護師

文:ヤジマミユキ
想像もしないようなことが起こるのがこの世の常。もし数時間後に、今までとはまったく違う新しい未来が手に...

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文:ヤジマミユキ

想像もしないようなことが起こるのがこの世の常。もし数時間後に、今までとはまったく違う新しい未来が手に入るとしたら、あなたはどんなことを期待するだろう。

あるアメリカ人女性に起きた驚くべき、かつ感動的な出来事が話題になっている。

靴ひもでへその緒を切断

米国ユタ州に住むラビニア・ムンガさんは4月28日、家族と一緒にソルトレイクシティからハワイ州ホノルルへ向かう飛行機に搭乗していた。すると突然、ラビニアさんに陣痛起こり、機内で男の子を出産したのだ。当時、ラビニアさんは自身が妊娠していたことすら気付いていなかったという。

偶然にも、ハワイ・パシフィック・ヘルスのデール・グレン医師、さらにノース・カンザス・シティ病院の新生児集中治療室に勤める3名の看護師が同乗しており、ラビニアさんの出産と赤ちゃんのケアをサポートした。

看護師の1人は「フライト中に、誰かが医療の助けを求める声が聞こえました」と振り返る。そして、「駆けつけてみると、女性が両手に小さな小さな赤ちゃんを抱えていたんです」と続けた。妊娠29週目の早産だったのだ。

機内には未熟児用の医療機器がなかったため、グレン医師と看護師たちは靴ひもを使ってへその緒を結び切断。さらに電子レンジで温めたボトルでベビーウォーマーを作り、Apple Watchで赤ちゃんの心拍を測定。飛行機が着陸するまでの3時間、赤ちゃんの状態を安定させるように努めていた。ホノルル到着後、ラビニアさんと赤ちゃんは、待機していた医療チームと共に、すぐに病院へと運ばれていったという。

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