LIFE STYLE | 2021/05/17

40万人の会員を抱えるダークウェブ上の児童ポルノサイト。ドイツで管理人ら4人が逮捕

文:山田山太
通常のブラウザや検索エンジンからはアクセスできない、匿名性の高いウェブサイト「ダークウェブ」。サイバー犯...

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文:山田山太

通常のブラウザや検索エンジンからはアクセスできない、匿名性の高いウェブサイト「ダークウェブ」。サイバー犯罪や薬物取引など、違法行為が多数存在している。

今年4月、ダークウェブ上で運営されていた世界最大級の児童ポルノ配信プラットフォーム「Boystown(ボーイズタウン)」の管理人が逮捕された。同サイトの会員数は40万人以上にも及び、子どもたち、特に少年のわいせつな画像や動画が多数配信されていた。

ユーザーに脱法行為のアドバイスも

5月3日、ドイツ連邦刑事庁はユーロポールらと協力し、ドイツ国内で2人、パラグアイで1人を逮捕したと声明で発表した。彼らが管理人として、サイトの設立と運営を行い、さらにユーザーに脱法行為のアドバイスを行ったという。加えて、このサイトの最もアクティブなユーザーだった1人も逮捕された。彼はおよそ3500枚以上にも及び画像をアップロードしていたとのこと。現在、同サイトは閉鎖されている。

捜査にあたったドイツ連邦刑事庁の検察官は『NBC News』の取材に「ダークネット上にはBoystownに類似したサイトが現在もいくつか存在しています。これらのダークネットサイトの背後にいる責任者を特定するための捜査が進められます」に答えている。

20万本のわいせつ動画を配信した韓国人男性が起訴

このような事件は今回が初めてではない。2019年にはダークウェブ上で、20万本以上の児童ポルノ動画を配信し、「世界最大のダークウェブ児童ポルノマーケットプレイス」を運営していた23歳の韓国人男性が、米国の連邦検察当局から起訴されており、この問題の根深さを感じさせられる。

このコロナ禍のロックダウン中、子どもたちは世界中で標的となっており、『BCC』によると、昨年3月から4月、わいせつ画像の報告は、通常の2倍以上の400万件にのぼったという。

インターネットが生活に根付き便利な生活が実現した一方、非常に深刻な社会問題を生み出し続けているのも事実だ。各国の政府や警察機関には、ネット上の犯罪に対するより高度な取り締まりが求められる。