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横領起訴の郵便局長39人が無実を証明。冤罪の原因は富士通の会計システムのバグ
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  • 2021.05.11
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横領起訴の郵便局長39人が無実を証明。冤罪の原因は富士通の会計システムのバグ

文:山田山太

汚名を着せられた元郵便局長たち

2000年から2014年に掛けて、英国の郵便局で働く元郵便局長(サブポストマスター)たちが横領を行ったとして、郵便局の窓口業務を行うポストオフィス社から訴えられる事件が発生した。起訴された人数は736人に及び、その多くに有罪判決が下された。しかし、実は彼らは無実の罪を着せられており、冤罪だった。

全国の郵便局へ導入された富士通の会計システム「Horizon」に重大なバグがあったため、勘定に不一致が生じていたことにより起きていたのだ。法廷では兼ねてより「Horizon」のシステムに不備があることを指摘されていた。しかし、ポストオフィス社側はそれを否定。闘いはおよそ20年にも及んだ。

その間、郵便局長たちは職を失い、中には投獄されたものもいた。地域社会から疎まれ、再就職にも苦労。家を失い、保険に加入できず、苦しい人生を強いられることとなったのだ。

しかし今年4月、ロンドン王立裁判所は39人の元郵便局長の有罪判決が破棄した。裁判官は「ポストオフィス社は、システムに深刻な欠陥があることを認識していた」「しかし、それに異議を唱えようとする元郵便局長たちを蹴散らしていった」と述べた。2019年12月には550人の元郵便局長がポストオフィス社側からの賠償を伴う和解に至っており、それに続く形となった。

元郵便局長29人の代表のニール・ハッジ氏は、「非常に高価なITシステムの失敗に目をつぶっただけでなく、それを必死に隠そうとする文化が、ポストオフィス社の組織内にあることがわかりました」「ポストオフィス社は、システムの欠陥を追求する代わりに、普通の人々の生命や自由、正気が失われることをいとも簡単に受け入れたのです」と『BBC』の取材に語った。

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