CULTURE | 2021/02/05

紅白総合司会に、主演映画ヒット、タレントパワー1位 大泉洋がローカルタレントから国民的俳優になった理由【連載】テレビの窓から(4)

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木村隆志
コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者
「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎月...

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木村隆志

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎月30本超のコラムを寄稿するほか、テレビ・ウェブ・雑誌などにメディア出演し、制作現場への情報提供もしている。人間関係コンサルタントや著名人専門のインタビュアーとしても活動中。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

非ジャニの紅白司会は13年ぶりだった

大泉洋と言えば、『第71回NHK紅白歌合戦』で白組司会を務めて称賛を集めたことが記憶に新しいが、本業の俳優としても、主演映画『新解釈・三國志』が興行収入38億円超のヒット作になったほか、来月に主演映画『騙し絵の牙』の公開、今冬に主演映画『浅草キッド』(Netflix)の配信が予定されている。

さらに今年はTEAM NACS結成25周年の活動が予定され、来年には大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)に源頼朝役での出演が決定済み。それでいて地元・北海道の番組にもレギュラー出演し続けているのだから、その人気と忙しさは俳優屈指と言っていいだろう。

また、大泉は昨年、『日経エンタテインメント』が年1回発表している「2020年版タレントパワーランキング男優編」で初の1位に輝いていた。こちらは認知度と関心度をかけ合わせたランキングで、ちなみに2位に阿部寛、3位に菅田将暉、4位に相葉雅紀、5位に二宮和也、6位に佐藤健、7位に神木隆之介、8位に山下智久、9位にムロツヨシ、10位に生田斗真と、大泉が早々たる顔ぶれの中でトップに立ったことがわかる。

話を『紅白歌合戦』に戻すと、ジャニーズ事務所のタレント以外が白組司会を務めるのは、実に13年ぶりのことだった。これは慣習と化していたことを変えてしまうほど大泉が飛び抜けた存在になったという証だろう。

なぜ大泉は北海道のローカルタレントから日本一の俳優に登り詰めたのか。TEAM NACSが結成25周年を迎えるこのタイミングで掘り下げていきたい。

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