
- GLOBAL
- 2020.12.30
ビョークの家とも噂になっているアイスランドの無人島に佇むポツンと一軒家。その正体が明らかに
文:ヤジマミユキ
世界で最も孤独な家
アイスランド本土の南海上10キロほどに位置するヴェストマン諸島を形成する島の一つ、エリザイ島。この島は100年もの間、人が住んでいない無人島であるにも関わらず、丘の中腹に奇妙な白い家が建っている。この家は「世界で最も孤独な家」と言われ、SNSでは、誰のもので、何のために建てられたのか、さまざまな憶測が飛び交っている。
ある億万長者の持ち物でゾンビが発生し世界が終末を迎えた時の避難場所として作られたものだとか、宗教的な隠者が住んでいた場所であるなど、さまざまな噂があった。また、一説には、アイスランド政府が歌手のビョークに贈ったとも言われている。一体この家の正体とは?
実は「世界で最も孤独な家」は、1950年代にエリザイ島狩猟協会によって建てられた狩猟用のロッジだ。エリザイ島は絶滅危惧種でありながらアイスランドでの狩猟が違法ではない「ツノメドリ」の群れが生息しており、この家はハンターが狩猟するための基地として使われているのだ。狩猟クラブに所属していない限り、島に船をつけることは許されていないが、ツアー会社の観光客向け日帰り旅行に参加すれば、訪れることが可能だ。
この島には電気、水道、屋内配管システムがないため快適な住居にはなり得ないが、雨水収集システムを利用したサウナや、ここでしか見られない自然の絶景は価値あるものになるだろう。
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