CULTURE | 2020/07/06

ヨーロッパで、日本発「宮脇方式」の植樹が急速に拡大。従来の10倍の速さで成長し、地球環境保全の切り札に

2018年に宮脇方式で植樹されたベルギーのミニ森林
文:仲田拓也
生物や植物の多様性を保護したり、地球温暖化の原因の...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

2018年に宮脇方式で植樹されたベルギーのミニ森林

文:仲田拓也

生物や植物の多様性を保護したり、地球温暖化の原因の二酸化炭素を吸収したり、地球環境にとって重要な存在である森林。しかし、現実には森林の面積は減少しているのが現実だ。

そんな中、日本の植物学者が考案した植樹方法が注目を集めている。

日本生まれの植樹手法「宮脇方式」

世界的に森林が減少する現状にゲームチェンジャーとして注目を集めているのが、日本の植物学者である宮脇昭氏の研究に基づいた「ミニ森林」だ。宮脇昭氏はその土地本来の樹木に、さまざまな種類の植物を混ぜて植樹を行い、森をつくる「混植・密植型植樹」を提唱。これまでアジア各地に1700以上の森を作ってきた人物だ。

学校の校庭や道路沿いに設置されることが多い「宮脇方式」の森は、従来の方法で植林を行った場合に比べ、10倍の速さで成長、30倍の密度と100倍の生物多様性を持つという。また、昨年発表された研究によれば、自然林は単一種の植物で構成された植林地に比べると、40倍の二酸化炭素を吸収できると推定されている。

次ページ:ヨーロッパで広がる「ミニ森林」

next