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最愛の妻を思い、22年間のみとハンマーで岩山を削り続け、新たな道を切り開いたインド人男性がSNS上で話題に
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  • 2020.06.29
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最愛の妻を思い、22年間のみとハンマーで岩山を削り続け、新たな道を切り開いたインド人男性がSNS上で話題に

マンジさんによって開削された道路
Photo By Shutterstock

文:江守順二

インド・ビハール州に暮らすダスラート・マンジさんは、カースト制度の最下層に属する貧しい労働者だ。そんなマンジさんが、22年間かけてのみとハンマーで岩山を削り続け、偉業を達成した。

岩山を開削という途方も無い苦役に挑んだのは、大切な人を失ったからだった。

崖から転落死、大怪我を負った妻を救えなかった

インドの山間部にある村でマンジさんは、愛する妻とともに暮らしていた。1959年のある日、マンジさんの妻は、険しい峠で足を滑らせて崖から転落し、大怪我を負ってしまった。妻を助けるには救急医療が必要だ。

しかし、村から最寄りの町に行くには、急峻な岩山を避けて大きく迂回し、険しい山道を55キロもの距離を移動しなければならない。徒歩で間に合うわけもなく、マンジさんの妻は命を落としてしまった。

村と町を隔てるこの岩山がなければ、妻は救われたかもしれないと思ったマンジさんは、他の村人に二度と同じ目に遭わないよう、のみとハンマーを手に岩山を削り始めた。村人に狂っていると嘲笑われても、マンジさんの決意は揺るぐことはなかった。

そして、22年後の1982年、マンジさんはたった1人で村から町までの道を開通させた。55キロの道のりが、15キロに短縮された。26歳でこの偉業にチャレンジしたマンジさんは48歳になっていた。まさに壮年期のすべてを費やしてのひたむきな行為だった。

マンジさんは2007年に73歳で肝臓がんために亡くなったが、その後も彼の偉業は語り継がれ、2015年にインドの人気俳優ナワーズッディーン・シッディーキー主演で実写映画化された。映画のタイトルは「マンジ―山の男」。試写会には成長したマンジさんの遺族が招かれたという。

次ページ:SNSで「青の洞門」を想起する人も

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