文:武者良太
小サイズのガーゼ・コットンも活用できる
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」によれば、「やむを得ず、外出される場合にはマスクを着用していただくよう、お願いする。」となっている。しかし、そのマスクがまだまだ入手困難だ。
3月23日、小池都知事が東京都の都市封鎖(ロックダウン)に関して言及した。いま以上に感染者が増えないよう、感染者集団(クラスター)が作られないように企業や都民、国民の協力を求めてのことだが、それだけに強い危機感を抱いていることがわかる。
もし都市封鎖となれば、さらにマスクなどの入手が難しくなるかもしれない。
産業用3Dプリンタなどを手掛けているイグアスは、自社で販売する3Dプリンターを活用し、繰り返し利用可能な3Dプリントマスクを開発。現在企業サイト上でマスクの設計データ(STLフォーマット)を無償で公開している。
設計データをWindowsアプリ「Print 3D」で開いた画面
男性用、女性用のデータがあり、いずれも鼻、頬、顎をカバーするもの。メッシュ状の開口部は口元だけとなっており、内部に小サイズのガーゼ生地・コットン生地をセットすることで完成する。通常のマスクよりはるかに必要とする生地面積が小さい。1枚の生地を必要最低限のサイズに切り分けることで、長期間の消費に耐えられる作りとなっている。
厚さ1mm・重さ7g、装着時の違和感を軽減したうえで丈夫で繰り返し利用可能
イグアスが作った試作品は、柔軟性と耐久性のあるナイロン粉末材料を使用し軽量で水や洗剤での洗浄もできるので清潔かつ繰り返しの使用が可能となっているとのこと。一般小売販売は現在のところ予定していないそうだが、この設計データがあれば(素材は異なるが)個人用として入手できる。DMM.make 3DプリントなどSTLフォーマットに対応したサービスを使えばいいのだから。
内部には布、ガーゼ、紙類など、使用者が選んだ素材をセット。いつでも取り換え可能
今後は子供用など、異なるサイズのバリエーションを増やしていくとのこと。マスクが入手できずに困っている方はぜひ活用してみよう。