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できそうでできない「長期目線のまちづくり」はいかにして可能になるのか|寺井元一(まちづクリエイティブ)【後編】
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  • 2018.05.04
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できそうでできない「長期目線のまちづくり」はいかにして可能になるのか|寺井元一(まちづクリエイティブ)【後編】

前編より続く

全国各地で声高に叫ばれる、地域を活性化する、元気にするとは一体どうなったら達成できたと言えるのだろうか。単発の事業やイベントの効果測定はできても、「街が良くなったかどうか」は後世からしか判断できない。

寺井元一氏率いる「まちづクリエイティブ」は、初めから「誰かのため」ではなく「自分のため」に自由に過ごせる場所=自治区をつくるべく活動してきた。楽しそうにしている人の周りには自然とたくさんの人が集まる。新しい取り組みが、仕事が生まれる。自分のためにやっていることは、詰まるところ他者から求められる要素を多く含むのではないか、ということである。地域活性化を最大の目標としないからこそ、副産物として生まれる成果もあるというわけだ。

インタビュー後編では、寺井氏がどんなことを考えながら各プロジェクトに望んでいるのか、今後どんな仕事をしていきたいのかという話を中心にうかがった。

聞き手・構成・写真:神保勇揮

寺井元一

株式会社まちづクリエイティブ代表取締役 アソシエーションデザインディレクター

NPO法人KOMPOSITIONを設立し、多くの壁画プロジェクトや日本最大規模のストリートバスケ大会など、公共空間と民間活力を結びつけて表現者に活動の場や機会を提供する活動を行ってきた。その後、株式会社まちづクリエイティブを設立し、千葉県・松戸駅前を「クリエイティブな自治区」にするMAD Cityプロジェクトを開始。 独自の不動産活用/エリアブランディング事業を推し進め、佐賀県武雄市「TAKEO MABOROSHI TERMINAL」、埼玉県埼京線沿線「SAI-KYO DIALOGUE LINE」など他地域でもエリアを展開中。

なぜ武雄でTAICOCLUBだったのか

―― 前編の最後では「MABOROSHI FES by taicoclub -武雄でタイコクラブ-」の開催にこぎつけるまでが大変だったとおっしゃっていましたが、それでもやり遂げたわけですよね。

寺井:行政や地域から見たら思考プロセスが3段飛ばしぐらいになってるというか「!?」みたいな話でしょうね。

会場となったのは佐賀県立宇宙科学館に隣接する「武雄温泉保養村 もよおし広場」(撮影:山口雄太郎)

―― タイコクラブがどれだけ有名なイベントか知らない人からすれば、そうでしょうね(笑)。

寺井:これに限らず、いろいろと言われますよ。そもそも、「TAKEO MABOROSHI TERMINAL」というのも、プロジェクトに「MABOROSHI」という名前を付けた時点で「大丈夫かな……」みたいな(笑)。

―― 「本当に幻になっちゃっても困るよ」と(笑)。

寺井:そういうことを絶対に言われますが、自分たちはそのコンセプトを重要視していたので、通させてもらったわけです。

タイコクラブの開催は、良質なクリエイターたちに武雄に関心をもってもらうことが必要だと思ったからなんです。さらに、そういう人たちが日常的に行き交い滞在する、ターミナル的な場所をを目指すとき、武雄温泉の一帯は昼の街で売っていくのではなくて「ナイトタイムエコノミー」が重要だと考えたんです。

武雄って不思議な街で、日中から21時まで営業している飲食店がほとんどない一方で、21時以降にオープンする店が多々あって、つまり深夜食堂の文化がある。あと、小さな街なのにスナックだけでなく踊る方のクラブもあるんです。その時間帯って市役所は閉まっているわけですが、夜の時間帯を活かして活性化を進める「ナイトタイムエコノミー」は、海外でもすごく注目されています。少しひなびた温泉街なのになぜか深夜2時、3時まで普通に定食屋が開いていて、スナックやバーが盛り上がっていて、クラブで踊れて、朝方まで温泉に浸かれる。そういうもう一つの顔を「MABOROSHI」に込めました。

―― 地方創生の方法論に対する批判で「有名人をアサインした単発イベントをやって、その瞬間だけ盛り上がるかもしれないけど、その後には何も残らない」というものがよくあるじゃないですか。そうした隘路を乗り越えるための手立ては何か考えていらっしゃいますか?

寺井:それはその時々で「本当に必要な最低限の層にしっかり来てもらう」ことと、事業性の担保を大切にすることだと思いますよ。タイコクラブの例では、カルチャーに関心ある人が、まず武雄に何か動きがあるって思ってもらうことが重要で、逆に単純な集客数はそこまで求めてなかったです。そして事業は別のところでつくるんだと割り切ってました。

武雄のこの段階で共感して足を運ぶ人って、100人中、5人とか10人とかしかいないわけじゃないですか。しかも行政からすると一番見えづらいところにいる、ひねくれたヤツだったりするわけです。

―― 集客のためではなくて、長期目線のブランディング・PRのためにイベントをやるのだと。

寺井:そういうことです。というかぶっちゃけた話、今の段階では武雄にあまり人が来ないほうがいいとすら思っているところもありました。

なぜ「今はまだ、あんまり武雄に人が来て欲しくない」のか

―― それはどういうことですか?

寺井:観光地って、よっぽど好きにならない限り、2回以上行かないじゃないですか。多くの人が2回以上行きたいと思えるような環境は武雄にはまだできあがっていない、だからまだ来なくていい、ということです。

あとは商店街なんかでポスター・プライヤーを撒いてくれと言われるわけですが、さっきも言ったように最初期から大々的に来てほしいわけじゃないんです。

それよりも、例えば福岡とか別の地域の優秀なクリエイターを巻き込んで「最近、あいつは武雄に肩入れしてるらしいよ」という話が流れると「今、武雄が面白いらしいじゃん。行ってみようかな」という情報として全国に流通していくわけじゃないですか。そっちの方が絶対に重要だと思っています。

―― あくまでも「長期目線でやる」という合意が取れているからやれる、ということですね。

寺井:ただ「とにかく目先でも来てくれる人が多い方が活性化して良いじゃないか」という意見も当然出るわけですし、可視化はやっぱり一定していかないと信頼もされないですし。そこはきちんと納得してもらうための努力をします。

―― まちづくり、地方創生の失敗事例に対する批判もメディア上でたくさん出てくると、脊髄反射的に「これ、集客しなさそうな企画だけど大丈夫なの?」という疑いを持たれてしまうこともありそうですね。

寺井:これは個人的な感覚として言っておきたいんですが、僕らみたいなまちづくりの事業者が純粋に利益だけを考えた場合、長期間同じ場所にいないほうが楽なんですよ。クライアントが民間でも自治体でも、一番尊重されてお金をもらえるのは最初だけなんです。だから、みんな3年ぐらいいるとプロジェクトが沈静化したり補助金が無くなって出ていったりするわけじゃないですか。地域おこし協力隊も3年だし、そもそも行政の担当者も3年で異動する。

そのぐらいのスパンでものを見ている人が多すぎるから、行政の計画も民間事業者のビジネスも短期目線に最適化されたものになっちゃうわけです。自分の在任期間が終わっても続く、長期のプロジェクトだということをどれだけ覚悟できるかが問われているのだと思います。

―― 長期目線が重要だとおっしゃいましたが、一方で現在は事業環境や技術が大きく変化を遂げる時代であり、どんな取り組みも緻密な事前計画をするよりは、まず試して有用性を判断し、できそうだとわかったら微調整していけばいい、という考え方が主流だとも感じます。

寺井:そうですね。IT系のサービス開発などでは、そういったトライ&エラーの手法が当然になっています。とはいえ、長期目線とトライ&エラーで微調整という話は、僕らの考え方と衝突してないと思っているんです。

というのは、ベータ版のサービスをローンチして世に出してみるというのは、「長期目線で1つ2つ失敗しても良い」と考えているからそうするわけじゃないですか。これが短期目線だと、失敗なんてできない、という話になる。つまりトライ&エラーというのは長期の視点を持って、短期でスピード感のある実験的な取り組みを重ねて解に辿り着こうという手法なんです。

今、地方の現場で起きているのはむしろ逆で、長期の計画は作るのだけれど、視点は単年主義だったりと短期なので、取り組み上は最初からひとつも失敗できない状況になってしまう。いまや計画通りに細部まで事業が進むことなんてあり得なくて、むしろ現場での試行錯誤を是としなければいけない。短期でトライ&エラーをしようとすれば、むしろ長期目線が大切になるし、それは今までの計画主義とは異なる必要があるのだ、ということがこれから重要になると思います。 

まちづくりのパートナー会社はどの段階で呼ぶべきか

―― FINDERSでは「決裁権者をコアターゲットとし、具体的な行動の変化を起こすこと」をメディアとしての目標のひとつにしているのですが、行政・民間問わず、まちづクリエイティブのような会社をプロジェクトにアサインする際の、コツみたいなものを教えていただけないでしょうか。

寺井:一言で言うと「何も決まっていない段階から呼んでほしい」ということです。

―― プロジェクトの方向性が決まっていない状態ですか?

寺井:具体的な動きがない状態、そもそもビジョンを立てきる前の段階です。多くのまちづくり系プロジェクトでは、目的や事業内容を決めてから外注業者を探すみたいなことが多々あるわけですが、実際にはその目的や事業内容がおかしいと感じることが多いわけです。そうしたことが起こるのは、そもそも問いの立て方を間違っているに違いなく、だからこそごく初期の段階から呼んでほしいということなのです。

逆に言うとたとえば「古い建物があるので、良い感じにリノベーションしてください」とオーダーされても困ってしまいます。それは建築・設計や工務店の仕事なので。あくまでリノベーションは手段のひとつであって、そもそもリノベーション以外の取り組みが必要かもしれない。当たり前ですがそれさえやれば上手く行くという話ではありません。

―― ただ、上司からいきなり「とりあえず流行ってるから何かやってみろ」といった話が降ってきて、あまり十分なリサーチ期間も与えられないまま社内ミーティングを経て「とにかくリノベーションだ!」という流れで何となく物事が決まってしまうことも少なくないのではと感じます。

寺井:その時に、意思決定をする上の人たちに対して「これは何のためにやるのか?」ということを延々と聞き続けなきゃいけないんだと思います。でも現場としては「そんなことを言わずに、さっさとやれよ」という話になってしまうのかもしれないですね。

―― これまでまちづクリエイティブを呼んでくれた理想のケースがあったとして、それはどんな感じだったんでしょうか?

寺井:例えば「SAI-KYO DIALOGUE LINE」では、JRに築古物件の活用などで実績のある中堅社員の担当がいて、彼が音頭を取って最初期から呼んでくれたんですよ。そういう人は社外のネットワークも豊富ですし、お互いうまく出会えるように、普段から色んな場所に顔を出していくことが重要なんでしょうね。

法律・条例に基づかない「自由」を産み出すということ

―― 最後に、まちづクリエイティブの2018年の方針を教えてください。

寺井:2018年だから特にこれ、というのは無いかもしれませんね。これまで目標としていたことを粛々と続けるというか。

―― 自治区を作ることですね。

寺井:そうです。僕がなぜまちづくりや不動産事業をやっているかと言えば、詰まるところ「面白い人に会いたいから」です。そうした人たちに自治区に来てほしいですし、そうするとその場所の価値が上がっていきます。

加えて、面白い人たちを集めるには入居のハードルを下げる、つまり極論すればハードのコストを下げる、例えば家賃を限りなく安くすればいい。そのためには僕らが仕事をつくり、経済的価値を産み出さなくちゃいけない。

で、そもそも何故自治区をつくりたいのか、という話ですが、僕は街の存在を通じて、より多くやりたいことができる社会にしたいんです。

―― 「やりたいこと」とは例えばどういうことでしょうか?

寺井:たとえば都心部ではいまや、公園でサンマを焼いたり、庭でバーベキューしているだけで怒られるわけじゃないですか。臭いがするとか火が危ないとかクレームが来るし、その理由もわかる。でもそれって、よくよく考えると「不特定多数の、仲が良いわけでもない人たちが我慢しあうことを維持するためのルール」でしかなくて、もっと緩和する余地があるし、そもそも生産的でも人間的でもないと思うんですよ。

―― 寺井さんの考える自治区ではそれができる状態にしたいということですよね。ただルールづくりという面では、解決策のひとつである「市(町)議会議員を増やして条例づくりや規制緩和を進める」という方向には進まないと。

寺井:インタビュー前編でも政治を勉強したという話をしましたが、僕は政治・政治家という仕組みは選挙を通じてアウトプットされた有権者からの要望に応えるためのものであって、自身の理念を有権者にインプットして実際に変えていくことに向いてないと思うんです。

松戸市議会で言えば、直近の選挙結果を見ると2000弱ぐらいの得票があれば1人議員を送り込めるんですが、それが集められるなら、「大勢に影響を及ぼせない議員1人」というパワーに変換するのではなく「2000弱」のインパクトのまま、もっと別のことに使えるんじゃないかということなんです。

―― 「MAD City派」を増やしていくみたいな感じでしょうか。

寺井:まあそうですね。一方で日々の仕事をつくり、ビジネスとしてやっていく必要もある。クライアントとして中長期的な目線でビジネスをさせてくれるのは、やはり広義のインフラ系企業だと思いますので、今後そうした相手と接点が生まれたらなと思います。

―― インフラ系というと、電力、交通機関、あとは不動産デベロッパーなどでしょうか。鉄道会社も実態としてはほぼ不動産会社ですよね。

寺井:そうですね。あとは、たとえば2018年2月には、中国のLCC「春秋航空」から協賛を受け、松戸と武雄を結んだ国内留学プログラムを実施しました。春秋航空さんから成田空港と佐賀空港間のチケットを提供いただいて、松戸を拠点に活動しているクリエイターが武雄に滞在する、あるいは武雄のクリエイターが松戸に滞在するという仕組みを試しています。

プログラム第1弾の参加アーティストである大和田俊氏。1985年栃木県旧栗山村生まれ。2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。主な個展に「Paleo-Pacific」(2016年、トーキョーワンダーサイト本郷)、「unearth」(2015年、NTT InterCommunication Center)。グループ展として「裏声で歌へ」(2017年、小山市立車屋美術館)、「Mal­for­med Objects」(2017年、山本現代)、Sound Reasons Fes­ti­val(2016年、1Shanti Road、インド)などに参加。第20回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品(2017年)。Tokyo Ex­per­i­men­tal Fes­ti­val vol. 9 最優秀賞受賞(2014年、トーキョーワンダーサイト)。 

この取り組みは、要するに自分たちの関与するエリア間で、姉妹都市的なつながりを増やしていきたいということなんですよ。直近ではそのネットワーク化には注力していきたいと思っています。

エリア(面)ではなく、都市間の「線」でネットワークを構築する

―― 自治区を増やす、そしてネットワーク化するということですね。

寺井:そうですね。あとは、クリエイターは一カ所に留まり続けると飽きちゃう人もいるわけですよ(笑)。だからネットワークの展開は、やりたいというよりはマストでやるべきだと思っていました。

また、時期は未定ですがもうひとつ新しいエリアを手がける話も進んでいます。ここでは地場産業ともタッグが組めそうなので、「地場産業、伝統工芸などを絡めたクリエイティブな何かをやりたい」というオーダーがあった際、まちづクリエイティブが培ったネットワークがビジネス上でも活かしていけそうです。

―― エリアが広がっていくとクリエーターも増え、クリエーターが増えると案件も増えるという、正のサイクルですね。

寺井:はい。なので不動産に加えて、交通機関系のインフラ会社さんと組めると、移動のハードルも下げられて今後は面白いかもしれないですね。 

さらに今後の話をすると、MAD Cityは松戸駅付近の半径500mエリアを称してそう言ってるわけですが、よく「これを広げたり、近隣エリアに進出したりしないの?」と聞かれるんです。でも、やるつもりはありません。さっきのクリエイターが飽きちゃうという話にもあるように、全国で半径500mのネットワークが多数ある方が好都合なんです。

エリアの数が増えて、ここは春秋航空さんで、こことかJRさんでとつながっていって、コストがかからなくなったりするようになってくるし、行くこと自体のハードルが下がっていくみたいな仕組みをつくっていくと思います。

「やりたいことをやれ!」と言い続けるために仕事をしている

―― 今後の展開も楽しみですね。

寺井:僕らは常に実験を続けて世の中の二歩、三歩先のことをやっていきたいと思っている一方で「それをやりたいと思っている」ということが周囲に理解してもらえているかどうか、実は少し不安なところもあるんです。だからエリアの発想なしに「ただひとつの空き家をリノベーションして活用してみないか」みたいなお話もいただいて、でも関われないので、ありがたいような悲しいような気持ちになったりもします。

―― ただ、どこか良く分からない部分がある方が、すぐに消費されきらなかったり「これはどういうことなんだろう?」と興味を惹かれたりもしませんか? すべてが即座に理解できなかったとしても、理解してもらえる範疇で「踏まえるべき点をきちんと踏まえていて、高クオリティのものしか出さない」という信頼を勝ち得ることが重要というか。

寺井:ええ。僕らがやっているまちづくり、エリアブランディングって、どこまで進化してもプログラムやAIなどには置き換えられない、つまり数値化・ノウハウ化が完全にはできない職人芸的なものかもしれないなと思うんです。

表面的な「この数値が高かった」というところには表れにくい、短期では成果が出ないような取り組みでも、長期目線では合理的なんだということは理解、評価されるようになったらと思っています。

そのとき、何が重要なのかと言えばビジョンとプロセスのデザインになってくる。それは例えば最近のデザインで単なるビジュアルづくり以上のものが求められるようになっているように、クリエイターたちの創作物にも同じことが言える部分もあると思うんですよ。だからそうした価値を理解、評価できる自分でありたいとも思っています。

―― それはつまり、世の中にクリエイティブの価値がわかる、目利き力の高い人がもっと増えてほしい、増やしたいというお話でしょうか?

寺井:そうなりますね。あとは、やりたいことを皆がやらないのも大きな問題だと思っているんです。

―― 感覚的には理解できるような、されど「こういうことですよね?」と言語化するのも難しいような…。

寺井:例えばいつの時代でも、街頭に立って「今から僕はこれをやるぞ!」と叫んでいる人は、頭がおかしくなったと思われちゃうじゃないですか。街頭で叫ぶことの是非はさておき、そのぐらい気持ちが高まった初期衝動って、クリエイターにしろ起業家にしろ、必ず持っていたはずなんです。

僕が言いたいのは「やればいいじゃん! 叫べばいいじゃん!」ということですし、それが共通認識としてガンガン奨励される共同体をつくりたいわけです。

―― なるほど。単に仕組み・システムをつくるだけではなくて「実際にやる気を出して行動に至る人をどれだけ増やせるか」ということに挑むというか。ただ、やっぱりそういう人が多数派になるイメージはちょっと湧かないですね…。

寺井:結局、そういう話になっちゃいますよね。「起業家になるためのセミナー」ってよくあるじゃないですか。僕も呼ばれたりすることがあるんですけど、あらゆる起業家が参加者に対して思ってることって、多分「いいから今すぐここを出ていってさっさと活動しろ、会社でも作れ!」とかだと思うんですよ(笑)。

―― 俺の話なんか聞いてないで、今すぐ帰って会社を作れと(笑)。

寺井:ただ、その発言ですら「なるほど」という顔でメモを取られてしまう。そうじゃないんです。書くんじゃなくて帰ってくれと。

―― それは僕らFINDERSとしても「やっていいんだ」「今すぐやろう」ということをメッセージを発信していきたいですし、寺井さんのような実践者をどんどん紹介していきたいと思っています。

寺井:そういう意味では、社名にも掲げた「クリエイティブ」ということに対してのリテラシーを上げる運動でもあり、自分の可能性に挑む人々を集めて新しい状況をつくろうというのが自治区づくりなのかもしれません。クリエイティブって別に一部の才能ある人だけのものではなく、すごく裾野が広いものだと思うんです。誰だって何らかのモノはつくれるわけじゃないですか。

で、その行為を通じて、実際にプロフェッショナルになっているクリエイターと自分との間に力量差がどれだけあるかだとか、二番煎じをやってもやっぱり面白くないといったことが初めて実感としてわかるわけです。でもそれって頭をこねくり回し、手を動かしてようやくわかることでもあるので、やっぱり「やれ!」と言い続ける、そして僕らはその場所をつくり続けて実践し続けるということなのかもしれません。


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