旧保育園跡地から始まる、御宿・岩和田海岸の新たなにぎわい
千葉県御宿町・岩和田海岸を望むカフェ 「DEAR MOM」 が、2026年4月3日にオープンする。建築家・谷尻誠氏の基本計画による 「yado journey」 から生まれた施設で、旧岩和田保育園跡地を舞台に、海辺に新たな交流の場をひらく。
白い砂浜と穏やかな網代湾を見渡すこの場所は、かつて観光客でにぎわった一方で、近年は少子高齢化や空き家の増加といった地域課題も抱えてきた。そうしたなかで、もう一度この町に人が集まるきっかけを生み出したいという思いが、今回のプロジェクトの出発点になっている。カフェの開業に続き、4月下旬にはホテルとサウナのオープンも予定されている。
「DEAR MOM」 はホテル併設のカフェとして、旅の途中に立ち寄る人と、地域で暮らす人が自然に交わる場を目指す。海を眺める人、読書をする人、コーヒーを片手に仕事をする人、散歩の途中で足を止める人。それぞれの過ごし方がゆるやかに重なり合う空間として、海辺の日常に開かれた存在になろうとしている。
店名の 「DEAR MOM」 には、この土地の記憶と、海に生きてきた人々への敬意、そして母なる自然への感謝が込められているという。かつてこの地にあった岩和田保育園のぬくもり、日本三大海女地帯のひとつとして海と向き合ってきた女性たちの歴史、そして目の前に広がる海。その重なりを静かに受け止める名前である。
空間は、大きく開いた窓の向こうに岩和田海岸と網代湾が広がり、光と風がそのまま通り抜ける設計だ。朝の静けさ、午後のきらめき、夕暮れのやわらかな色合いまで、時間によって移り変わる海の表情が、そのまま店内の空気に溶け込んでいく。旅先の一景としてだけでなく、地元の人にとっても日々の延長線上で立ち寄れる場所になりそうだ。
メニューには、コーヒーやエスプレッソ、ティーのほか、スムージーやアルコール、自家製焼き菓子、ペストリー、サンドイッチをそろえる。ソムリエが選んだワインを収めたセラーも備え、朝の一杯から午後の小休止、海を眺めながらの軽い一杯まで、時間帯ごとに異なる楽しみ方を受け止める。
御宿の海辺に生まれる 「DEAR MOM」 は、観光のための新施設であると同時に、地域の風景や記憶を受け継ぎながら、人の流れをもう一度この場所へ呼び戻す試みでもある。海を前にした何気ない時間の価値を、あらためて感じさせる拠点になりそうだ。
DEAR MOM (ディアマム)
千葉県夷隅郡御宿町岩和田926
0470-64-6764
営業時間:毎日 8:00~17:00
https://dearmom.booking.chillnn.com/