BUSINESS | 2026/03/15

「言葉で光を動かす」
真鍋大度率いる sonicPlanet と Tamatech Lab が共同開発、自然言語でムービングライトをリアルタイム生成

AI照明制御 「SPOTLIGHT AI」 が登場

FINDERS編集部

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自然言語でプロ仕様の照明演出を生成する新ツール

真鍋大度 と Sinan Bokesoy が設立した sonicPlanet と、日本の照明エンジニアリング企業 Tamatech Lab は、自然言語入力によってムービングライトの演出をリアルタイムで生成・制御するAIツール 「SPOTLIGHT AI」 を共同開発した。

「オーロラのように揺れる光」、「渦巻きながら中心に集まるライト」 といった言葉を入力するだけで、数秒後には3Dプレビューと実機の照明が連動して動き出す。照明コンソールの専門知識やDMXの設定を知らなくても、イメージをそのまま日本語や英語で伝えればよい。これまで高度な訓練を要してきた照明プログラミングの工程を、AIが肩代わりする仕組みである。

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SPOTLIGHT AIは、照明パターンを数式として生成する。自然言語で入力された指示はAIによって解析され、各灯体の位置座標とRGBカラーを時間変数を含む数学関数として出力する。キーフレームを積み重ねる従来型の制御と異なり、連続的な関数によって運動を記述するため、少ないデータ量で無限の時間軸を扱うことができる。三角関数やノイズ関数、smoothstep補間などを組み合わせ、渦巻き、波、呼吸、フォーメーション変形といった抽象的な表現を物理的に妥当な光の動きへと変換する。

ステージ空間はメートル単位の3D座標系で定義され、AIは灯体数に応じて自動的に動きを分配する。台数が増減しても数式の構造を変える必要はない。

また特定の機種に依存しない設計思想を採用しており、MA Lighting の grandMA が対応する照明システムであれば使用可能であり、メーカーや型番、台数に制限はない。制御方式はターゲットポイント指定型である。パン・チルト角度を直接入力するのではなく、光が当たるステージ上の3D座標を指定する。grandMA側が灯体仕様に応じた変換を行うため、ユーザーは 「どこに光を当てたいか」 だけを考えればよい。

通信面ではOSC、PosiStageNet、Art-Net DMXの3プロトコルを同時送出するため、メディアアート、劇場、コンサート、クラブイベントなど、既存のワークフローを大きく変えることなく導入できる。

尚、アプリには300種類の照明プリセットが内蔵されており、Shuffleボタンを押すだけで即座にパターンが読み込まれ、AI応答を待たずに演出を確認できる。画面右側の3Dビジュアライザーでは、黒い空間内に灯体とビームが描画され、視点を自由に回転しながら動きを確認できる。プレビューと実機出力は完全に同期しており、リモート環境でも演出確認が可能だ。

SPOTLIGHT AIは照明デザイナーを置き換えるものではない。生成されたパターンを起点に、人が選び、調整し、組み合わせることで最終的な演出が完成する。アイデアを言葉にし、その場で光として確認する。このツールが今後どのような形で現場に広がっていくのか注目していきたい。


Spotlight-AI
https://projects.daito.ws/spotlight-ai

sonicPlanet
https://www.sonicplanet.com

TamatechLab
https://www.tamatech.co.jp/