青い光が消灯後の廊下をそっと照らす、都心のアートホテルに生まれた新しい夜
照明を消した瞬間、壁の際や通路の一部がふわりと青く浮かび上がる。東京都港区海岸にある、1フロアを貸し切るアートホテル「Art House HINODE」に、そんな夜だけの表情をつくる仕掛けが導入された。
手がけたのは、エンタテインメントの発想で空間演出を手がける株式会社humorousである。高輝度蓄光技術「ナイトコンシェルジュ®」を用い、リビングや寝室前の通路、洗面、廊下、トイレ周辺など、宿泊者が夜間に移動する場所を中心に発光ユニットを設置した。
空間全体を明るく照らすのではなく、発光の形や配置によって位置や方向をさりげなく伝え、消灯後の移動をそっと支える仕掛けである。既存の照明や安全設備はそのまま使えるため、明るさが必要な場面では従来どおり照明を点灯できる。
Art House HINODEは2026年に開業した、最大10名まで宿泊できる、1フロア貸切型のペントハウス型アートホテルだ。東京湾やレインボーブリッジ、都心の夜景を一望できる立地に加え、伝統と現代のアートが融合した空間デザインが特徴で、全国1,495施設がエントリーした宿泊施設アワード「BEST OF MINPAKU 2026」の転貸部門で第2位を受賞するなど、開業間もないながら注目を集めてきた。
今回のコラボレーションは、その洗練された空間の世界観を、照明を消した後の時間にまでつなげる試みといえる。
ナイトコンシェルジュは、自然光や照明光をエネルギーとして蓄え、消灯後は電力を使わずに約12時間発光する仕組みだ。電源や配線、電池交換を必要とせず、日常的なメンテナンスも不要である。
発光ユニットは通常時、内装に溶け込むよう設計されており、消灯後にだけ青い光を放つ。Art House HINODEを象徴する青みを帯びた空間やアート作品との調和を意識し、発光の位置や形状、見え方を場所ごとに調整しているという。
Art House HINODEのオーナーは、「暗さと静けさの中、青い光によって空間やアートが静かに浮かび上がる光景は、幻想的でありながら安心感がある。宿泊者の皆さまには、アートとともに心地よく眠りへ向かう、唯一無二の夜を楽しんでいただきたい」とコメントしている。
株式会社humorousは、宿泊施設に限らず観光施設や文化施設、アウトドア施設などでも、既存の照明と共存しながら空間の世界観を保ち、夜間の移動や滞在体験を支える演出の展開を目指すという。明るさで解決するのではなく、暗闇そのものを空間デザインの一部として捉える発想は、宿泊体験に新しい奥行きを加えるものだ。都心の喧騒を離れ、アートに包まれながら眠りにつく時間を求める人にとって、消灯後の顔まで作り込まれたこの宿は、次の滞在先を選ぶ際に加えてみたい候補である。
Art House HINODE
東京都港区海岸2-6-31 SCS KAIGAN ONE 7F
ゆりかもめ「日の出駅」徒歩約3分/JR「浜松町駅」徒歩約10分
Airbnb
https://www.airbnb.jp/rooms/1211889584280882444
Booking.com
https://www.booking.com/hotel/jp/art-house-hinode-10-people-3-minutes-from-the-station-art-and-tokyo-bay-spectacu.ja.html