BUSINESS | 2026/08/12

撮影ゼロ、出演者ゼロ。生成AIだけで完成したテレビCMが地上波に流れた

AI modelとテレビ朝日が共同制作、GREEN DA・KA・RAの全編生成AI制作CM

FINDERS編集部

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ロケも撮影も経ずに生まれた30秒、テレビ朝日が地上波で全国放送

AI model株式会社は、株式会社テレビ朝日 コンテンツ編成局の「AIクリエイティブスタジオ」と共同で、映像全編を生成AIで制作したテレビコマーシャルを手がけた。題材はサントリービバレッジ&フード株式会社の水分補給飲料「GREEN DA・KA・RA」で、30秒作品「楽しい夏にはGREEN DA・KA・RA」篇として2026年8月9日(日)午後1時55分から、テレビ朝日系列「バスケットボール男子日本代表 国際試合 日本×モンゴル」の生中継枠内ほかで全国放送された(一部地域を除く)。

テレビ朝日にとって、映像全編に生成AIを用いたテレビコマーシャルの放送は今回が初めてである。テレビ朝日ホールディングスが掲げる新経営計画「START UP テレ朝!!」では、AI活用が「5つのキーストラテジー」の一つに位置づけられており、本作は2026年4月に発足した「AIクリエイティブスタジオ」との協業による取り組みの一つといえる。

映像は、「GREEN DA・KA・RA」のシンボルであるハート型のモチーフに水分が浸透していく様子を、透明感と清涼感を感じさせる表現で描いている。さらに親子でのお出かけや運動、部活動など、実写であれば複数のロケ地とキャストが必要になる多彩なシチュエーションを30秒に収め、真夏の水分補給の大切さを訴求した。なお、生成AIを用いたのは映像のみで、テロップや音声、ナレーションにはAIを使用していない。

撮影もロケハンも前提としない制作フローが持つ意味

今回のCMで注目したいのは、表現内容だけでなくその作り方である。ロケーションの手配や撮影、キャスティングを前提としない制作フローにより、季節や天候、出演者のスケジュールに左右されずに映像を設計できる。従来のテレビCM制作にともなう時間的・人的な制約から離れ、企画から完成までの調整コストを抑えられる可能性がある。

制作の舞台裏は、8月12日(水)深夜0時45分から放送されるテレビ朝日の深夜レギュラーバラエティ「AI大作戦」(一部地域を除く)で紹介される予定である。AI modelは2020年8月設立の企業で、生成AI技術を用いて企業専属のAIモデルやタレント、キャラクターと広告クリエイティブを生成するソリューションを提供しており、TVCMのほかEC・カタログ・店頭向けキービジュアルの制作なども手がけている。

生中継という大きな露出の枠で流れた今回のCMは、生成AIが実写の一部を置き換える表現がテレビ広告の現場でも現実になり始めていることを示す事例だ。AI活用によって制作プロセスがどこまで変わっていくのか、今後のテレビ広告の作り方を考えるうえでも注目したい。


AI model株式会社
https://ai-model.jp