世界初公開となるアルテミス計画の全貌
宇宙への挑戦は、新たな局面を迎えている。アポロ計画から半世紀、人類は再び月を目指し、さらには火星への有人探査を視野に入れている。この壮大な挑戦の最前線を体感できる特別展 「深宇宙展~人類はどこへ向かうのか To the Moon and Beyond」 が、2025年7月12日から9月28日まで日本科学未来館で開催される。
本展の最大の注目点は、アルテミス計画で使用される最新技術の数々だ。中でも世界初公開となる有人月面探査車 「有人与圧ローバー」 の実物大模型は必見だ。宇宙飛行士が約1か月間生活しながら月面探査を行うこの車両は、次世代の月面探査を象徴する存在となっている。
日本の宇宙開発の最前線や、宇宙を体感できるコンテンツも充実
本展ではもちろん日本の宇宙開発技術も一堂に会する。「はやぶさ」「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星の粒子や、H3ロケットのフェアリング実物大模型など、日本の宇宙探査の成果と最新技術が展示される。さらに、火星衛星探査計画「MMX」や、最新の地球観測衛星など、日本の宇宙開発の広範な取り組みを紹介する。さらに会場では展示を見るだけでなく、宇宙を体感できるコンテンツも充実している。大画面映像で楽しむ火星ツアーでは、最新のデータを駆使した映像により、まるで火星を旅しているかのような体験ができる。また、実際のロケット部品に触れられる展示もあり、宇宙開発の現場をリアルに感じることができる。

天文学が挑む宇宙の謎
第二の地球は存在するのか?ブラックホールの正体とは?本展では、これらの宇宙の謎に挑む天文学の最前線も紹介する。「すばる望遠鏡」 や 「アルマ望遠鏡」 などの大規模観測機器の模型展示や、大画面映像による深宇宙ツアーを通じて宇宙の神秘に迫る。

そのほか、新たな宇宙時代の象徴として、日本人初の国際宇宙ステーション民間人滞在を果たしたソユーズ宇宙船の実機も特別展示される。この展示は、宇宙旅行が徐々に身近になりつつある時代の到来を実感させるものだ。
本展は、JAXA、国立天文台、東京大学をはじめとする日本の主要な宇宙研究開発機関に加え、宇宙開発に携わる多くの企業・団体の協力により実現した。子どもから大人まで楽しめる解説や体験コーナーも多数用意されており、宇宙への興味を深める絶好の機会となるだろう。
宇宙開発の最前線に触れ、人類の次なる挑戦を体感できるこの特別展。それは同時に、私たちの想像力と創造力を刺激し、新たな発想を生み出すきっかけともなるはずだ。宇宙への挑戦を続ける人類の「知」の集大成を、この機会にぜひ体感してほしい。
特別展 「深宇宙展~人類はどこへ向かうのか To the Moon and Beyond」
会期:2025年7月12日(土)~9月28日(日)
会場:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6) 1階 企画展示ゾーン
主催:日本科学未来館、NHK、NHKプロモーション、東京新聞
公式サイト(2月末公開予定)
https://deep-space.jp
日本科学未来館
https://www.miraikan.jst.go.jp/