CULTURE | 2024/02/29

話題の東京都庁プロジェクションマッピング「TOKYO Night & Light」の仕掛人とは?

都庁第一本庁舎を新しい光のシンボルに、世界を舞台に活躍するTOPクリエイター達が集結

文・カトウワタル(FINDERS編集部)

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最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設)としてギネス世界記録(TM)に認定

2025年2月25日(日)、東京のランドマークのひとつである都庁第一本庁舎に巨大なプロジェクションマッピングを通年で行う 「TOKYO Night & Light」 のオープニングイベントが行われた。東京の夜を彩る新たな観光資源を作るため、光と音で多彩なアートを表現する。またこのプロジェクトは、「最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設):Largest architectural projection-mapped display(permanent)」 としてギネス世界記録(TM)に認定され、さまざまなメディアでも取り上げられるなど、話題のイベントとなっている。

オープニングイベントでは、サプライズゲストとして人気アーティストの Aimer が登場。代表曲 ”残響散歌” と新曲 ”800” の2曲のために制作されたマッピング映像が Aimer のライブとともに披露され、抽選により参加した観客1,100人を熱狂させた。また、オープニングイベント直後の通常上映開始となった2月26日(月)にも、厳しい寒さが残る強風の中、多くの来場者が訪れ、早くも東京の夜の新名所となりつつある。

平日と休日バージョンの2つのプログラムを放映

そしてこの 巨大なプロジェクションマッピング 「TOKYO Night & Light」 のコンテンツ企画総合監修を手がけたのが、一般財団法人プロジェクションマッピング協会の代表理事を務める石多未知行と、世界を舞台に活躍するTOPクリエイターたちだ。

彼らが作り上げた年間を通して上映されるプログラムは、平日は 「Lunar Cycle」 と題し、 29.5日で1サイクルの表情を持つ月齢のシルエットと東京のさまざまな要素を掛け合わせたビジュアルを投映する。

また休日は、Aimerとのスペシャルコラボのために作られたマッピング演出も取り入れつつ、「東京協奏曲 TOKYO CONCERTO」 と題し、東京の魅力と音楽との 「協奏」 をコンセプトとした壮大なプロジェクションマッピングショーだ。東京のさまざまなエッセンスが凝縮され、三楽章を通じて過去から未来へと駆け抜けていくさまを表現するという。

休日は 「東京協奏曲 TOKYO CONCERTO」、平日は 「Lunar Cycle」 という二つの作品が上映される

巨大プロジェクションマッピングを手がける世界を舞台に活躍するTOPクリエイターたち

企画総合監修を担当した石多によると、「これまで長年プロジェクションマッピングに携わってきたが、自分でも過去最大スケールとなるプロジェクトで、非常にやりがいと同時に緊張感を持ちながら携わらせてもらいました。この建築は扱ってみると想像以上に難しく、クリエイター達とトライアンドエラーを繰り返しながら素晴らしい内容にすることができました。
音楽と映像のトップクリエイター達、そして関係者のみなさんとこのプロジェクトを実現することができ、とても充実した経験となりました。これからできるだけ多くの人にこの圧倒的なスケールのプロジェクションマッピング体験をしてもらいたいと思います。」
とコメントしている。

石多 未知行 (クリエイティブディレクター、演出家、空間デザイナー)
映像を光として捉え、空間表現するアーティスト・演出家として国内外で活動。プロジェクションマッピングや空間演出を中心に、商業施設の空間演出、ライブや舞台の演出、展覧会やアートフェスティバルといった観光や公共事業の企画プロデュース、ナイトウォークなどにも数多く携わり、各企画・各地の特色を活かしたオリジナル作品を多数生み出している。 最近の主なプロジェクトとしては、世界最大級と言われるプロジェクションマッピングの国際大会「1minute Projection Mapping Competition」、光の祭典「TOKYO LIGHTS」の企画立ち上げ、総合監修、海岸の波を青く光らせる「NIGHT WAVE」~光の波プロジェクト~のプロデュースなどを手掛けている。

企画総合監修の石多未知行
参加クリエーターたち

今後、本格的な観光シーズンを迎え、ますます数多くの外国人旅行客訪れることが予想される中、またひとつ東京の夜を楽しむ新たな魅力が生まれた。またこの一大プロジェクトが、都庁舎をプロジェクションマッピングするという一見ハードルの高そうな取り組みであることから、東京都という自治体を中心に進めることで大きな障壁を乗り越えたことが容易に想像できる。地方自治体などのインバウンド施策の計画において、ぜひ参考にしてほしい事例だと思う。


TOKYO Night & Light
期間:2024年2月26日(月)より通常上映開始 ※荒天時等を除き、毎日上映予定
投影面:東京都庁第一本庁舎 東側壁面
観覧場所:都民広場 (東京都新宿区西新宿2-8-1)
上映時間:日没後から21時頃まで
主催:東京都・東京プロジェクションマッピング実行委員会
特設サイト:https://tokyoprojectionmappingproject.jp