BUSINESS | 2024/05/08

Z世代を中心に拡大中!
位置情報をシェアすることで生まれる
「シン密圏」とは?!

HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO がレポート第4弾を発表

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

位置で近づく心の距離

株式会社博報堂、博報堂DYグループの株式会社SIGNING は、生活者発想で経営を考える研究開発・社会実装プロジェクト「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」の活動の第四弾として、1,500万以上DLされている位置情報共有サービス「whoo your world」を運営する株式会社LinQを共同研究パートナーとして「シン密圏プロジェクト」を発足、レポートを発表した。

もはやSNSが生活のインフラとなった現代、「人と人とのつながり」のあり方も変化し、人との「親密さ」についての定義も捉え直す必要があるようだ。その象徴的とも言える現象が、Z世代を中心に広がる“位置情報のシェア”ではないだろうか。本プロジェクトでは位置をシェアすることで生まれる、“親しさ”から拡がる新たなつながりを「シン密圏」と名付け、その実態を紐解くとともに、その価値観について考察、これからの社会、ビジネスを考える上でのキーワードを提言している。

若年層の4人に1人が自分の位置情報を共有する「位置シェアラー」

本プロジェクトでは、「つながり」に関する実態把握を目的とした、全国の10~60代男女対象のWeb定量調査に加え、位置情報共有サービスを既に使っているユーザーのデプス調査、位置情報共有サービスを使ったことがない20~40代を対象とする実証実験を実施。

するとなんと4人に1人が自分の位置情報を共有する「位置シェアラー」であることが分かった。位置シェアラーにとっては、位置をシェアする繋がりが「最も親密」であると考えている。また、位置をシェアする相手は「仲が良くて、リアルで会う友だち」。シェアする情報によってつながる相手を階層化、SNSの友達の中でも情報を公開する相手を限定している。

さらに位置シェアラーの行動としては、自分と位置が近い人と「ついで会い」を行っているとの回答も多く寄せられた。レポートによると、位置シェアラーには「その場の思い付きで行動するのが好き」といった、瞬間的な思いつきで動く 「場面行動」が根付いていることが理由かもしれないとしている。

仲間の位置を見ると、言葉を交わさなくても連帯感が生まれる

調査にあたっては、デプスインタビュー、グループインタビューなどにより、位置をシェアする行動の背景にある価値観や行動の因果をエスノグラフィ視点で分析する「イチノグラフィ」という独自のアプローチを採用した。

それによると、位置情報は偽れないデータだからこそ、位置シェアはお互いの“ありのまま”を受け入れ合う「信頼関係」の証であり、だからこそ言葉を交わさなくても、位置から仲間の状況を読み取って励ましや連帯感を感じることができると感じていることが分かってきた。これは、リモートワークが広がり、働く場所の自由化が進む中で 仲間の位置が見えることが、助け合いのきっかけになったという意見も寄せられたという。

以上のように、今回得られた調査結果は、「シン密圏」によってもたらされる価値観が、Z世代を超えて幅広い世代に広がり得る可能性を示唆している。そしてレポートでは、これから訪れるかもしれない、選択可能でオルタナティブな社会の姿「オルタナ社会」の到来を提言、ビジネスを考える上で示唆となるキーワードを提示して締めくくっている。

興味のある方はレポートを参照してほしい。


シン密圏REPORT  位置で近づく心の距離
HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO×LinQ