EVENT | 2024/09/20

“地球を修復するための解決策”を考える
「リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス」
をパタゴニアが主催

2024年10月10日(木)、オンラインにて開催

FINDERS編集部

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パタゴニアが推進する農や食の取り組みについて紹介

アウトドア企業のパタゴニア・インターナショナル・インク日本支社は、昨年4月の初開催に続き、「リジェネラティブ・オーガニック」 をテーマにした2回目のカンファレンス 「リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2024 Fall」 を開催する。

「リジェネラティブ農業」 は、土壌炭素を貯留することで気候変動緩和に貢献できる側面から、2022年には国連機関FAOで紹介され、近年には国連の気候サミットや世界的大手企業のネットワークで紹介されるなど急速に注目を集めている。しかしその一方で 「リジェネラティブ農業」 には明確な定義がないため、言葉の濫用やグリーンウォッシュなど新たな社会的問題を生み出していることも事実だ。

パタゴニアは、2017年に 「リジェネラティブ・オーガニック(RO)認証」 設立に参画、「環境を再生する有機農業」 を明確に定義した上で、有機農業に基づくリジェネラティブ農業の拡大を支援してきた。現在世界34か国でRO認証取得実績があり、アジアではインド、インドネシア、タイ、韓国で認定事例があるが、日本ではまだない。そのため、日本国内での事例づくりを進めるとともに、それを機運とした取り組みを進めていくという。

今回のカンファレンスでは、リジェネラティブ・オーガニック認証の3本柱の1つである 「土壌の健康」 の 「畑地システム」 をテーマに、パタゴニアが推進する農業の共通理解を得て、議論を整理することで、実際の進展につなげる機会にしたいとしている。

リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス開催主旨 (パタゴニアより)

地球を修復するための解決策としての農業についての議論を国内に広げ深めていくため、昨年春に国内初の『リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2023』を開催しました。そして現在、「土壌」や「耕さない管理」、「リジェネラティブ農業(再生農業など、呼び名多数)」、「環境により良い農業とはどのようなものなのだろうか?」といったトピックに関する興味関心は高まり、議論や業界的なアクションも活発になってきました。2024年9月には、世界で初めてリジェネラティブ・オーガニック認証を取得したパスタが日本で発売となり、実際の製品やその背景にあるストーリーへの注目も高まっています。

2回目の開催となる今回は、そのような興味関心に応えるとともに、畑地システムにおける実践者にその取り組みを話題提供いただくことで、国内におけるこれらのテーマの多彩さと奥深さを深掘りするとともに、これからの発展に繋げていきたいと考えています。

2017年、パタゴニアは複数の団体と協同で「リジェネラティブ・オーガニック認証」を制定しました。パタゴニア日本支社も2021年から国内で取り組みを進めています。全体論的システムである「リジェネラティブ・オーガニック」は、土壌の健康・動物福祉・社会的公平性の3つの柱で構成されています。今回は、この3つの柱のうち「土壌の健康」の、さらに畑地システムをテーマとしています(「水田システム」については次回開催予定)。

本カンファレンスは、リジェネラティブ・オーガニックやパタゴニアが推進する農や食の取り組みについて知りたい方はもちろんのこと、環境再生型農業やその国内の畑地システムでの実践方法、フードシステムや農業の転換がもつポジティブな可能性などについて学びたい方に対しては、具体的な入り口として最適な機会になると考えます。

土壌や農業生産活動などの農地を起点とした話になりますので、生産活動実践者や土地管理者を想定していますが、関心をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます。

ーアウトドア企業のパタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」をミッションステートメントに掲げ、1996 年に製品に使用するコットンをすべてオーガニックコットンに切り替えました。2016 年には食の流れを修復するために、責任ある方法で調達された食のコレクション「パタゴニア プロビジョンズ」を日本で開始。リジェネラティブ・オーガニック認証は、現在600万haを超える農地、250を超える農場や牧場、6万人を超える小規模農家がグローバルで認定を受けており、パタゴニア日本支社は日本国内での認証事例づくりに向けて、協同者の方々と取り組みを進めています。 

開催プログラム

第1部:リジェネラティブ・オーガニック農業と土壌生態学からの視座
パタゴニア日本支社 近藤勝宏、木村純平
「土壌生態系をリスペクトする農業」 福島大学 金子信博

第2部:実践者による事例紹介とセッション
「再生型農業のエコフェミニズム的転回とその実践」 SHO Farm 仲野晶子
「土地利用型作物での不耕起有機栽培の技術的探求」 Three little birds合同会社 佐藤真吾
「大地再生農業~土に倣う農と暮らし」 メノビレッジ長沼 レイモンド・エップ、荒谷明子
「消費者を巻き込む耕さない畑のアイスクリーム」 はちいち農園 衣川晃

第3部 :農業をともに発展させる研究の取り組み
「農家との連携が切り開く不耕起有機栽培の現状と未来展望」 茨城大学 小松崎将一
「栽培のための農業機械、機械にあわせる栽培体系」 神戸大学 庄司浩一 
「多年生穀物カーンザ:未来に根ざした選択肢」 北海道大学 内田義崇

左上から右へ、仲野晶子(写真:金子怜史)、佐藤真吾(写真:今井慎治 (LOVEG))、レイモンドエップ・荒谷明子、衣川晃
左下から右へ、金子信博、小松崎将一、庄司浩一、内田義崇 

リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2024 Fall
国内の畑地システムにおける実践とこれからの発展に向けて


日時:2024年10月10日(木)  13:00~17:30
参加費:無料 (要参加申込)
参加方法:オンライン視聴 (参加申込者に限り後日期間限定のアーカイブ配信を予定)
申込締切:2024年10月7日(月) 18:00まで
主催:パタゴニア日本支社
後援:リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス

イベントページ/オンライン参加申込
https://www.patagoniaprovisions.jp/pages/ro-conference-2024-fall